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日経平均は反落、関税差し止め一時停止を嫌気 円高への警戒感も

2025年05月30日(金)16時18分

 5月30日、東京株式市場で日経平均は、前営業日比467円88銭安の3万7965円10銭と反落して取引を終えた。東京証券取引所で2024年12月撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 30日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比467円88銭安の3万7965円10銭と反落して取引を終えた。前日の大幅高のきっかけになった米国際貿易裁判所による関税差し止めが一時停止されたことが嫌気されたほか、ドル/円が円高方向に振れたことが警戒され、売り優勢となった。ただ、後半にかけて為替相場が落ち着くとともに、全般は戻り歩調となった。

ドル/円は一時143円半ばと前日の大引け時点から約2円、円高に振れる場面があり、これが投資家心理の重しとなった。しかし、その後、為替相場が落ち着くとともに、輸出関連株の一部が買い直された。

市場では「円高を警戒する声は多いものの、地合いは悲観するほど悪くはない。グロース市場が堅調に推移しており、個別物色の動きは継続しているようだ」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)との声が聞かれる。

また「為替相場が急速に円高に振れたことで、企業業績に影響が大きいとみられる輸出関連株が売られる展開となった。来週は米国で重要経済統計の発表を控えているため、後半は見送りムードが広がった」(野村証券・投資情報部ストラテジストの澤田麻希氏)との指摘もあった。

TOPIXは0.37%安の2801.57ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.38%安の1441.88ポイント。プライム市場の売買代金は6兆5106億6700万円だった。

東証33業種では、値上がりは医薬品、水産・農林業、電気・ガス業など19業種、値下がりはその他製品、電気機器、精密機器など13業種だった。空運業は変わらずだった。

個別では、東京エレクトロン、アドバンテストなどの半導体関連株が軟調に推移したほか、任天堂もさえない。一方、安く始まったトヨタ自動車が後半にプラスに転換したほか、NTTが年初来高値を更新した。

新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.66%高の745.24ポイントと、上昇した。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが939銘柄(57%)、値下がりは632銘柄(38%)、変わらずは59銘柄(3%)だった。

終値 前日比 寄り付き    安値/高値  

日経平均 37965.10 -467.88 37912.49 37,748.17─38,114.47

TOPIX 2801.57 -10.45 2780.4 2,775.81─2,810.22

プライム指数 1441.88 -5.43 1431.05 1,428.81─1,446.22

スタンダード指数 1333.59 9.13 1320.9 1,320.86─1,334.72

グロース指数 948.28 6.29 941.04 940.30─951.84

グロース250指数 745.24 4.85 739.57 738.69─748.78

東証出来高(万株) 271183 東証売買代金(億円) 65106.67

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