第一生命HD、英保険M&Gと戦略提携 約1600億円出資へ

5月30日、第一生命ホールディングスは、英大手生保M&Gと生命保険分野や資産運用に関する長期的な戦略パートナーシップを結んだと発表した。写真は2010年3月、都内で撮影(2025年 ロイター/Yuriko Nakao)
Rie Ishiguro Miho Uranaka
[東京 30日 ロイター] - 第一生命ホールディングスは30日、英大手生保M&Gと生命保険分野や資産運用に関する長期的な戦略パートナーシップを結んだと発表した。提携の一環として、M&Gの発行済み株式約15%を約1600億円で取得する計画。海外事業ポートフォリオの多様化と資産運用手法の分散を進めるのが狙い。
M&Gはロンドン証券取引所に上場。第一生命HDは15%の株式取得によりM&Gの取締役を派遣する。日本の会計基準においてM&Gは持分法適用会社となり、年平均100億円超の利益貢献を見込む。
合意文書には、保有比率が15%に到達後2年間は株式売却を制限するロックアップ期間とするほか、19.99%を超えて株式を取得しないというスタンドスティル条項も盛り込まれた。
M&Gは欧州で第一生命HDの優先的な資産運用パートナーとなる。また、M&Gの保険商品を日本やアジアの他の地域で販売することも検討しており、新たな保険商品の共同開発も行うとした。
M&Gは世界39拠点で個人や機関投資家の資産運用を担っており、運用・管理資産残高は昨年末時点で3459億ポンド(約67兆円)に上った。
第一生命HDは、2030年度の企業価値10兆円、利益6000億円を掲げ、海外事業やアセットマネジメント領域などの拡大を進めている。今回の出資は、米国・アジア・オセアニアに続く、初の欧州展開となる。アセマネの分野では、5月に世界最大規模の債券ヘッジファンド、英キャプラ・インベストメント・マネジメントを持ち分法適用会社にすると発表している。