財政審建議、コメ不足なら輸入すればよいとの趣旨でない=加藤財務相

5月30日、加藤勝信財務相は、昨年11月に財政制度等審議会がまとめた建議について「コメも足りなくなれば輸入すればよいとの趣旨ではない」との見解を示した。都内の精米店で2021年撮影(2025年 ロイター/Sam Nussey)
[東京 30日 ロイター] - 加藤勝信財務相は30日の参院本会議で、昨年11月に財政制度等審議会がまとめた建議について「コメも足りなくなれば輸入すればよいとの趣旨ではない」との見解を示した。その上で財務省として「食料安全保障を輸入に依存することは適当でない」と語った。
舟山康江議員(国民)の質問に答えた。
建議では食料安全保障を巡り、食料・農業・農村基本法にのっとり、国内生産の増大だけでなく、輸入や備蓄の確保、輸出の促進により確保すべきと指摘したほか、コメの備蓄に関し、需要減少の反映と輸入米の活用により備蓄水準を見直し、財政負担を削減すべきと訴えた。
財政審は5月27日にまとめた建議では、コメ政策に関連し、安定供給の観点からも国内の生産性向上を基本としつつ、需給の調整弁として複数の手法を備えておくことができるよう、民間在庫や政府備蓄米、輸入米の取り扱いに改善すべき点がないか、確認の必要性を唱えた。