ドイツ、グーグルやフェイスブックなどへ収益の10%課税を検討

ドイツのヴァイマー文化相は29日発行された雑誌「シュテルン」のインタビューで、米巨大IT企業のアルファベット傘下のグーグルや、メタが抱えるフェイスブックなどの大規模オンラインプラットフォームの収益に10%の課税を検討していることを明らかにした。写真はグーグルのロゴ。米カリフォルニア州マウンテンビューにある同社の研究施設で13日撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)
[ベルリン 29日 ロイター] - ドイツのヴァイマー文化相は29日発行された雑誌「シュテルン」のインタビューで、米巨大IT企業のアルファベット傘下のグーグルや、メタが抱えるフェイスブックなどの大規模オンラインプラットフォームの収益に10%の課税を検討していることを明らかにした。
ドイツのメルツ首相は近く、トランプ米大統領と会談するために首都ワシントンを訪問する予定だ。トランプ氏はかつて、外国政府が「米国の適切な課税基盤を自国の利益のために流用する」ことを許さないと発言している。
自国内でのデジタルサービス事業者の収益への課税は英国やフランス、イタリア、スペイン、トルコ、インド、オーストリア、カナダなどが既に実施しており、トランプ氏は2月に米巨大IT企業にデジタルサービス税を課している国々への輸入関税適用を目的として調査するようグリア米通商代表に命じていた。
ヴァイマー氏は、政府関係者が大規模オンラインプラットフォームの収益に10%の関税を課す法案を起草していると説明。一方で、自身が「ずる賢い脱税」と非難したプラットフォーム事業者とも話し合いを持ち、自発的に寄付してもらうような代替案も模索していると説明した。
その上で「これらの(巨大IT)企業はドイツで数十億(ドル規模)の事業を手がけ、極めて高い利益率を誇り、ドイツのメディアや文化的な成果、インフラによって巨大な恩恵を得ている。しかし、彼らはほとんど税金を納めず、投資も小さ過ぎ、社会への還元もあまりにも少な過ぎる」と批判した。
ヴァイマー氏は、大規模デジタルプラットフォームが「独占的な構造」を構築し、競争を制限するだけではなくメディアの力を過度に集中させ、表現の自由にリスクをもたらしていると非難した。
さらに、「トランプ氏から圧力を受けたグーグルが一方的にメキシコ湾をアメリカ湾に改名し、グローバルコミュニケーションでの意味を形成する巨大な力をもってそうするように単純に命じるのであれば、現在の構造の中に潜んでいる問題の数々を見て取ることができる」との見解を示した。
アルファベットとメタは、ロイターのコメント要請にそれぞれ直ちには応じなかった。
ドイツの連立与党は今年早期にデジタルサービス課税の導入を検討することで合意したものの、これは連立政権が優先するプロジェクトの一覧には入っていなかった。関係者によると、ヴァイマー氏が表明した課税案について連立政権はまだ合意していない。