米輸入物価、4月は予想外の上昇 資本財価格がエネルギー安を相殺

米労働省労働統計局が16日発表した4月の輸入物価指数は前月比0.1%上昇した。写真は3月、米カリフォルニア州オークランド港で撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)
[ワシントン 16日 ロイター] - 米労働省労働統計局が16日発表した4月の輸入物価指数は前月比0.1%上昇した。資本財コストの急増がエネルギー製品の価格低下を相殺し、予想外の上昇となった。
3月は0.4%下落していた。
ロイターがまとめた4月分のエコノミスト予想は0.4%下落だった。関税を除く輸入物価の前年比は0.1%上昇した。
トランプ政権による関税政策は世界経済の減速懸念を引き起こし、原油価格の下落要因となっている。
4月の輸入燃料価格は2.6%下落。3月は3.4%下落していた。食品価格は横ばい。3月は0.1%下落だった。
燃料と食品を除くコア輸入価格は0.5%上昇。3月は0.1%下落していた。前年比では0.8%上昇した。
輸入資本財価格は0.6%上昇。自動車を除く輸入消費財は0.3%上昇した。輸入車、部品、エンジンの価格は0.2%上昇した。
オックスフォード・エコノミクスのシニア米国担当エコノミスト、マシュー・マーティン氏はこうした上昇について、「企業が輸入を前倒ししたことで、資本財、工業製品、消費財への強い需要にけん引された」との見方を示した。
ドル安がこれらの輸入価格の上昇に寄与している可能性もある。トランプ氏の強硬な通商政策がドルへの投資家の信頼を揺るがし、ドル建て資産の急落につながっている。貿易加重ドルは年初来で約5.1%下落しており、その大半が4月に生じている。