スウェーデンがEUのCPTPP加盟を提案へ、トランプ関税に対抗

スウェーデンのベンヤミン・ドゥーサ国際開発協力・貿易相は13日、日本など12カ国が加盟する包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)へ欧州連合(EU)が加盟することを、スウェーデン政府として提案する予定だと明らかにした。写真は欧州旗、ベルギーで3月撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[ストックホルム 13日 ロイター] - スウェーデンのベンヤミン・ドゥーサ国際開発協力・貿易相は13日、日本など12カ国が加盟する包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)へ欧州連合(EU)が加盟することを、スウェーデン政府として提案する予定だと明らかにした。世界最大規模の自由貿易地域を形成し、トランプ米大統領の関税政策に対抗するのが狙い。
アジア諸国歴訪の一環として日本に滞在中のドゥーサ氏はロイターの電話インタビューで「EUとCPTPPの2つの貿易圏が一緒になれば世界最大の自由貿易圏が誕生する。米国がますます内向きになり、閉鎖的になっている今は、欧州が自ら開放に動き、投資と貿易に積極的に取り組むのに良い機会だ」と述べた。15日のEU外相会議で加盟を提案する方針だ。
輸出依存度が高いスウェーデンはEU加盟国の中で最も強く自由貿易を支持している。しかしドゥーサ氏によると、一部の加盟国はCPTPP加盟にそれほど熱心ではなく、スウェーデンは既に、農業分野を筆頭に保護主義的な姿勢が強いフランスなどの国と闘う準備をしているという。
今後の見通しについては、交渉にある程度時間がかかるとしつつ、セクターごとや産業ごとに協議することで比較的迅速に合意をまとめることは可能だと説明。「これ(CPTPP加盟)はスウェーデンにとって極めて重大な問題だ。医療、教育、社会福祉を維持したいのであれば、国内の輸出業者の市場を広げる必要がある」と訴えた。