ＮＹ市場サマリー（12日）ダウ1160ドル高、ドル急伸・利回り上昇

2025年05月13日（火）07時23分

＜為替＞ドルが急伸した。米中が相互関税を一時的に引き下げることで合意し、世界の２大経済大国の貿易戦争で世界的な景気後退が引き起こされるとの懸念が和らいだことが背景。

米国と中国は１０─１１日にスイスのジュネーブで行った閣僚級協議で、相互に発動した関税率を１１５％ポイント引き下げることで合意。上乗せ分の９０日間の停止、経済・貿易関係に関する協議メカニズムの構築も打ち出した。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は１．５％高の１０１．９１。

ドル／円は２．１９％高の１４８．５０円。一時１４８．６４円と、４月３日以来の高値を付けた。

ユーロ／ドルは１．５４％安の１．１０７４ドル。１日の下落としては昨年１月６日以来の大きさになる見通し。

＜債券＞国債利回りが約１カ月ぶりの水準に上昇した。米中が相互関税を一時的に引き下げることで合意したことを受け、国債などの安全資産からリスク資産に資金がシフトし、国債価格の低下につながった。終盤の取引で１０年債利回りは８．６ベーシスポイント（ｂｐ）上昇の４．４６１％。トランプ氏が掲げる関税措置の物価情勢への影響を見極めようと、１３日に発表される４月の消費者物価指数（ＣＰＩ）が注目されている。金利見通しを反映しやすい２年債利回りは１１．３ｂｐ上昇の３．９９６％。２年債と１０年債の利回り格差は４６．３ｂｐ。先週９日は４８．７ｂｐだった。

＜株式＞主要株価３指数が大幅高。米国と中国が追加関税の引き下げで合意したことを受け、世界的な貿易摩擦の緩和につながるという期待が高まった。ダウ工業株３０種は１１６０ドル高で引けたほか、Ｓ＆Ｐ総合５００種は終値として３月３日以来、ナスダック総合は２月２８日以来の高値を付けた。この日は主要３指数が４月９日以来の上昇率を記録し、Ｓ＆Ｐ５００は３月下旬以来初めて２００日移動平均線を上回った。投資家の不安心理を示す「恐怖指数」として知られるシカゴ・オプション取引所（ＣＢＯＥ）のＶＩＸ指数（ボラティリティー・インデックス）は３月下旬以来初めて２０を割り込んだ。４月には６０まで上昇していた。アップルは６．３％高。今秋のｉＰｈｏｎｅラインナップについて、価格引き上げを検討していると伝わった。

＜金先物＞米中両国が関税の大幅な引き下げで合意したことを受けて利益確定の売りがかさみ、反落した。中心限月６月物の清算値（終値に相当）は前週末比１１６．００ドル（３．４７％）安の１オンス＝３２２８．００ドル。

＜米原油先物＞米中両国が関税大幅引き下げで合意したことを背景に買われ、３営業日続伸した。米国産標準油種ＷＴＩの中心限月６月物の清算値は、前週末清算値（終値に相当）比０．９３ドル（１．５２％）高の１バレル＝６１．９５ドルとなった。これは中心限月の清算値ベースで４月下旬以来、２週間ぶりの高値水準。７月物は０．９８ドル高の６１．５６ドル。

ドル／円　ＮＹ終値 148.45/148.

始値 148.38

高値 148.64

安値 147.82

ユーロ／ドル　ＮＹ終値 1.1087/1.10

始値 1.1079

高値 1.1134

安値 1.1066

米東部時間

３０年債（指標銘柄） 17時05分 97*19.0 4.9040

0 %

前営業日終値 98*22.0 4.8330