ドイツ輸出と鉱工業生産、3月予想上回る伸び 関税前の「駆け込み需要」

5月8日、 ドイツの3月の輸出と鉱工業生産は、予想以上に増加した。シュトゥットガルトの自動車工場で2024年3月撮影(2025年 ロイター/Wolfgang Rattay)
[8日 ロイター] - ドイツの3月の輸出と鉱工業生産は、予想以上に増加した。米関税引き上げを見越した駆け込み需要が押し上げた。
連邦統計庁の8日の発表によると、3月の輸出は前月比1.1%増で、ロイターがまとめたエコノミスト予想(1.0%増)を上回った。輸入は1.4%減少し、貿易黒字は211億ユーロ(239億ドル)と2月(180億ユーロ)から拡大した。
欧州連合(EU)向け輸出は3.1%増加。EU域外向けは1.1%減少したが、米国向けは2.4%増加、中国向けは10.2%増加した。
3月の鉱工業生産指数は前月比3%上昇。市場予想(0.8%上昇)を大きく上回った。変動をならした第1・四半期でも前期を1.4%上回った。
ハンブルク商業銀行のチーフエコノミスト、サイラス・デラルビア氏は、「変動に起因する単なる増加ではない。景気循環的要素もあり、今後数カ月に明るい展望が持てる」と述べた。
7日発表の3月の鉱工業受注も予想を上回る増加だった。
キャピタル・エコノミクスのシニア欧州エコノミスト、フランツィスカ・パルマス氏は「3月の統計は、少なくとも産業界の業況悪化に歯止めがかかったことを確認した」と述べた。ただ、関税に関連した「駆け込み」の押し上げ効果はすぐに薄れると予想。競争力低下や自動車需要の構造的減少という問題もあり、向こう半年程度に鉱工業工業が再び縮小しても驚かないと述べた。