ニュース速報
ビジネス

午後3時のドルは143円後半で売買交錯、米英貿易協定に注目

2025年05月08日(木)16時25分

 5月8日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から横ばいの143円後半で取引されている。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Shinji Kitamura

[東京 8日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から横ばいの143円後半で取引されている。米関税政策に対する見方が引き続き入り混じる形で、主要通貨は売買が交錯した。市場では、米国と英国がきょう発表すると報じられた貿易協定の内容に注目が集まっている。

ドルは143円半ばから144円前半で売買が交錯した。午前中は前日海外で上昇した反動もあって売りが先行したが、午後に入り米株先物や米金利が上昇すると、ドルが底堅さを増す一方で、円やスイスフランなどリスク感応度の高い通貨が売られ、144円前半へ切り返した。

この日、動きが目立ったのは英ポンド。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が、トランプ政権が英国との貿易協定を8日に発表すると報じたことが手掛かりとなり、対ドルで1.33ドル前半から半ばへ上昇した。

それに先立ち、トランプ大統領は自身のソーシャルメディアに、8日午前10時(日 本時間午後11時)、「ビッグニュース」となる記者会見を大統領執務室で行うと投稿。 「大国であり、非常に尊敬されている国の代表者ら」と、貿易協定について発表するとし ていた。

同時に、円やスイスフランなどリスク感応度の高い通貨も弱含みとなった。アジア時間の取引では、中国株を含むアジア株や米株先物が上昇するなど「米景気にとっても厳しい高関税政策の柔軟化が進む可能性が出てきた」(国内銀アナリスト)ことが手掛かりとなった。

しかし、協定の内容など詳細が不明なこともあり、ポンド買いは午後に入り次第に失速。0.25%の利下げが確実視されているイングランド銀行(英中央銀行、BOE)の金融政策委員会(MPC)を今夜に控え、午後3時過ぎには1.32ドル後半へ反落した。

HSBCエコノミストのエマ・ウィルクス氏は、米国の関税政策と世界経済への影響が引き続き注目点だとしながら、多くの問題は未解決で「唯一確かなことは、不確実であるということだけ」だと話している。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 143.92/143.94 1.1303/1.1305 162.69/162.70

午前9時現在 143.86/143.87 1.1301/1.1305 162.61/162.62

NY午後5時 143.82/143.83 1.1303/1.1304 162.53/162.56

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英中銀、政策金利を0.25%引き下げ 関税が成長・

ビジネス

トランプ氏、FRB議長を「愚か者」と批判 金利据え

ワールド

米中協議で香港民主活動家を取り上げ、トランプ氏が示

ワールド

パキスタン、インドの無人機25機撃墜 印もパキスタ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗と思え...できる管理職は何と言われる?
  • 4
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 5
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 9
    「関税帝」トランプが仕掛けた関税戦争の勝者は中国…
  • 10
    あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに …
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 9
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 9
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中