ニュース速報
ビジネス

仮想通貨「$トランプ」、取引手数料は計1億ドル近くか

2025年02月04日(火)11時03分

2月3日、暗号資産(仮想通貨)情報会社3社の推計によると、トランプ米大統領の公式仮想通貨「$トランプ」を取り扱う業者が1月30日までに取引手数料として総額8600万―1億ドルを稼ぎ出したもようだ。2日、メリーランド州で撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)

Tom Wilson

[ニューヨーク 3日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)情報会社3社の推計によると、トランプ米大統領の公式仮想通貨「$トランプ」を取り扱う業者が1月30日までに取引手数料として総額8600万―1億ドルを稼ぎ出したもようだ。これまで報道されていた水準を大きく上回る。

1月17日に取引が開始された$トランプは同19日までに時価総額が145億ドル余りと、ピークに達した。その後は大幅に下落し、ピークの3分の1未満の水準に沈んでいる。

マークル・サイエンスやチェイナリシスなど暗号資産情報会社3社はロイターの委託を受け、$トランプが関連する全ての取引を示すブロックチェーンを分析した。

$トランプを取り扱う業者の1社は、トランプ氏が保有する企業「CICデジタル」。$トランプの公式ウェブサイトは、CICデジタルは$トランプの「取引業務から生じる収入を受け取る」と説明している。ロイターは、取引手数料がトランプ氏個人の収入として計上されるかどうか、また計上される場合はどの程度の金額になるかについて、断定できなかった。

チェイナリシスによると、少なくとも50の大口投資家が$トランプの取引で、それぞれ1000ドル超の利益を確保している。一方、約20万の仮想通貨ウォレットは、$トランプの取引で損失を被っている。仮想通貨ウォレットは大半が小口投資。

ホワイトハウスはトランプ氏のデジタル金融テクノロジーに関する大統領令について説明したファクトシートに対するロイターの質問に回答したものの、取引手数料についての質問には答えていない。

トランプ氏は、暗号資産に対する規制を改革し、暗号資産の保有を促進することにより、初めての「仮想通貨大統領」になるとともに米国を「地球上の暗号資産の中心地」にすると表明している。トランプ政権の複数の高官や閣僚らは暗号資産を保有、もしくは暗号資産業界と結び付いている。

トランプ氏の暗号資産事業を巡る巨額の資金や事業の不透明な実態は、倫理の専門家や民主党から批判を浴びている。

コロンビア大のリチャード・ブリッフォールト教授(法律学)は「トランプ氏が実質的に自分自身のビジネスを規制する権限を持っていることに、倫理上の懸念が生じている」と問題視した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル首相、来週訪米 トランプ氏とガザ・イラン

ビジネス

1.20ドルまでのユーロ高見過ごせる、それ以上は複

ビジネス

関税とユーロ高、「10%」が輸出への影響の目安=ラ

ビジネス

アングル:アフリカに賭ける中国自動車メーカー、欧米
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    飛行機のトイレに入った女性に、乗客みんなが「一斉…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 6
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 9
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 10
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中