ニュース速報
ビジネス

ECB、債券購入をより慎重に活用すべき=シュナーベル専務理事

2024年11月15日(金)08時41分

 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は11月14日、金利調整はECBの主要な政策手段であり続けるべきで、債券購入とフォワードガイダンス(政策指針)は慎重に活用されるべきだとの考えを示した。2019年11月、フランクフルトで撮影(2024年 ロイター/Ralph Orlowski)

[フランクフルト 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は14日、金利調整はECBの主要な政策手段であり続けるべきで、債券購入とフォワードガイダンス(政策指針)は慎重に活用されるべきだとの考えを示した。

ECBは過去10年間で数兆ユーロ相当の債券を購入した。バランスシート上にはまだ4兆ユーロ以上の債券が残っており、刺激策の必要性がなくなった数年後も市場価格に影響を与えている。シュナーベル氏は、ECBが債券購入の手法を変える必要があるのはこうした市場の歪みが理由だと述べた。

「このような環境下でインフレを効果的に管理するためには、中央銀行は機敏さと柔軟性を優先する必要がある」とし、「したがって、ほとんどの状況で短期金利が依然として最適な手段である」と語った。

一方、債券購入はECBを何年も制約する可能性がある。「債券保有は徐々にしか解消されないため、資産価格は長い間ゆがんだままとなる」とし、「これは、量的緩和(QE)開始のハードルをこれまでよりも高くする必要があることを意味する」と述べた。

フォワードガイダンスも銀行に制約を与え、21年後半から22年初めのインフレ高騰への初期対応が遅くなる一因となったため問題があると主張。「今日の不安定な環境において、フォワードガイダンスは中央銀行にとって限られた有用性しかない」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米ピムコ、米長期国債の配分を減らして投資を多様化

ワールド

ウクライナ、ドローン配備予算拡大へ 大統領が指示

ビジネス

TikTok規制の効力一時差し止め要請 企業側が米

ワールド

デフレ脱却に至ってないが好循環回り始めている=赤沢
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国 戒厳令の夜
特集:韓国 戒厳令の夜
2024年12月17日号(12/10発売)

世界を驚かせた「暮令朝改」クーデター。尹錫悦大統領は何を間違えたのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達した江戸の吉原・京の島原と並ぶ歓楽街はどこにあった?
  • 2
    人が滞在するのは3時間が限界...危険すぎる「放射能の島」の内部を映した映像が話題 「衝撃だった」
  • 3
    「男性ホルモンが高いと性欲が強い」説は誤り? 最新研究が示す新事実
  • 4
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 5
    キャサリン妃が率いた「家族のオーラ」が話題に...主…
  • 6
    「糖尿病の人はアルツハイマー病になりやすい」は嘘…
  • 7
    中国の逆襲...自動車メーカーが「欧州向けハイブリッ…
  • 8
    無抵抗なウクライナ市民を「攻撃の練習台」にする「…
  • 9
    白い泡が大量発生...インド「下水汚染された川」に次…
  • 10
    ジンベエザメを仕留めるシャチの「高度で知的」な戦…
  • 1
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 2
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、妻の「思いがけない反応」...一体何があったのか
  • 3
    国防に尽くした先に...「54歳で定年、退職後も正規社員にはなりにくい」中年自衛官に待ち受ける厳しい現実
  • 4
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや…
  • 5
    朝晩にロシア国歌を斉唱、残りの時間は「拷問」だっ…
  • 6
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説な…
  • 7
    【クイズ】核戦争が起きたときに世界で1番「飢えない…
  • 8
    ついに刑事告発された、斎藤知事のPR会社は「クロ」…
  • 9
    肌を若く保つコツはありますか?...和田秀樹医師に聞…
  • 10
    人が滞在するのは3時間が限界...危険すぎる「放射能…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 9
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 10
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中