ニュース速報
ビジネス

債券投資家は中立スタンス、米利下げ予想も大統領選を警戒

2024年11月05日(火)09時34分

 11月4日、債券投資家は今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や接戦の米大統領選を前にディフェンシブだが中立的なスタンスを取っている。3日、デトロイトの期日前投票所で撮影(2024年 ロイター/Rebecca Cook)

Gertrude Chavez-Dreyfuss

[ニューヨーク 4日 ロイター] - 債券投資家は今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や接戦の米大統領選を前にディフェンシブだが中立的なスタンスを取っている。

6─7日のFOMCでは25ベーシスポイント(bp)の利下げが広く予想されている。ただ、債権投資家にとってここ数週間はFOMCより大統領選が大きな注目材料で、勝者が判明するまで資金配分に慎重になっている。

債券投資家は年初から、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和やリセッション(景気後退)の可能性に備えてデュレーションを長期化してきた。選挙後も同様の取引が選好される見通しだ。

インサイト・インベストメントの北米債券責任者ブレンダン・マーフィー氏は「われわれは長期ゾーンで小規模なポジションを開始したが、全体としては中立的に近い」とし、「より積極的なポジションを取っていない理由は選挙を巡る不透明感だ。様子を見るつもりだ」と述べた。

オールスプリング・グローバル・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、ジャネット・リリング氏も、FRBのデータ依存性や米経済指標の変動性、選挙を考慮して中立スタンスを維持していると説明。

「(大統領選の)勝者や議会選の行方を予測してポジションを取るのは無意味だ」とし、「むしろ選挙結果が出たときに動けるポジションを取りたい」と語った。

<ボラティリティーは1年ぶり高水準>

選挙を控えてボラティリティーも高まっている。米国債の予想変動率を示す「MOVE指数」は10月31日に135.18まで上昇し、1年余りぶりの高水準を付けた。これは大部分の期間の米国債利回りが今後1か月間、いずれかの方向に1日当たり少なくとも8.5bp変動することを示唆している。

同指数の開発者でシンプリファイ・アセット・マネジメントのマネジングパートナーのハーレー・バスマン氏は、オプション価格は米国債利回りが6日か7日にいずれかの方向に18bp動くことを想定していると試算した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル急伸し148円台後半、4月以来の

ビジネス

米金利変更急がず、関税の影響は限定的な可能性=ボス

ワールド

中印ブラジル「ロシアと取引継続なら大打撃」、NAT

ワールド

トランプ氏「ウクライナはモスクワ攻撃すべきでない」
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パスタの食べ方」に批判殺到、SNSで動画が大炎上
  • 2
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機…
  • 5
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 6
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中…
  • 7
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 8
    「オーバーツーリズムは存在しない」──星野リゾート…
  • 9
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 10
    歴史的転換?ドイツはもうイスラエルのジェノサイド…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中