ニュース速報
ビジネス

市場は引き続き不安定、経済・物価見通し実現へ影響見極め=日銀総裁

2024年09月20日(金)16時19分

 9月20日、日銀の植田和男総裁(写真)は、金融政策決定会合後の記者会見で、海外経済の先行きは不透明で金融資本市場は引き続き不安定な状況にあると指摘し、経済・物価の見通しが実現する確度に及ぼす影響をしっかり見極めていくと述べた。写真は同日、都内で撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Kentaro Sugiyama Takahiko Wada

[東京 20日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は20日、金融政策決定会合後の記者会見で、海外経済の先行きは不透明で金融資本市場は引き続き不安定な状況にあると指摘し、経済・物価の見通しが実現する確度に及ぼす影響をしっかり見極めていくと述べた。経済・物価見通しが実現していけば、それに応じて政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことになると語った。

政策判断に当たっては、内外の金融資本市場の動きそのものだけではなく、「その背後にある米国を始めとする海外経済の状況などについて丁寧に確認していくことが重要だ」と述べた。「最近の為替動向を踏まえると、年初以降の為替円安に伴う輸入物価上昇を受けた物価上振れリスクは相応に減少している」との見方を示し、内外経済の状況を確認していく時間的な余裕はあるとの考えを示した。

植田総裁は「物価安定目標の持続的・安定的な実現のためには、それと整合的な形で賃金が上昇を続ける必要がある」と述べた。人手不足感が高まる中、企業収益が好調であることも踏まえると「来年の春季労使交渉でもしっかりとした賃上げが続くことが期待できる」と述べた。

日銀は19―20日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%程度で維持することを全員一致で決定した。景気の現状判断や基調的な物価の見通しを維持する一方で、個人消費の現状判断を引き上げた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中