マツダ、円安効果で4─6月期営業益67%増 通期予想は維持
マツダが7日発表した2024年4─6月期連結決算は、営業利益が前年同期比67.7%増の503億円だった。写真は同社のロゴ。都内で2018年5月撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Maki Shiraki
[東京 7日 ロイター] - マツダが7日発表した2024年4─6月期連結決算は、営業利益が前年同期比67.7%増の503億円だった。売上高は同11%増の1兆2056億円で4─6月期として過去最高を更新した。北米市場の販売もこの期として過去最高となった。為替の円安効果が寄与した。25年3月期通期の連結業績予想は据え置いた。
4─6月期の営業利益に対し、販売奨励金が前年同期に比べ351億円圧迫したが、円安の影響が439億円押し上げた。北米販売は14%増の14万6000台だった。
ジェフェリー・エイチ・ガイトン専務執行役員兼最高財務責任者(CFO)は会見で、「トップライン(売上高)の成長を優先している」とし、4─6月期の業績は「計画とほぼ一致し、増収増益で非常に良い結果だった」と語った。足元の為替変動は大きいが、「過剰に反応することなく、慎重に見極めて対応したい」と述べた。
会見に同席した藤本哲也専務執行役員は、4─6月期は「販売奨励金の増加の影響を円安効果でオフセット(相殺)」したといい、「新商品投入や商品力強化により第2・四半期(7─9月期)をピークに販売奨励金を抑制する」と述べた。
通期の前提為替レートは1ドル=150円(従来は143円)、1ユーロ=162円(同155円)へ円安方向に修正した。上期で平均153円、下期145円程度の前提に変えた。
従来は、上期150円弱、下期143円─140円程度を前提としていた。藤本氏は「中間期にまた見直す」と話した。
ガイトン氏によると、4─6月期の1台当たり変動利益が平均で約80万円なのに対し、米国では「4分の1から3分の1ほどさらに高い」といい、利幅の大きい米国での販売拡大が業績貢献につながる、と語った。同氏はまた、米国景気の先行きに関しては「リセッション(後退期)に入るというにはまだ時期尚早。ソフトランディング(軟着陸)していくのではないか」との見方を示した。
会社側の通期営業利益予想は2700億円で、IBESがまとめたアナリスト16人の事前予想の平均値2783億円と同水準となっている。