ニュース速報
ビジネス

米FRB利下げ、9・12月の年内2回予想が大勢=金融市場

2024年07月24日(水)05時47分

米連邦準備理事会(FRB)は今年、9、12月の2回のみ利下げを実施するという予想が大勢となっている。2022年6月撮影(2024年 ロイター/Sarah Silbiger/File Photo)

[23日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は今年、9、12月の2回のみ利下げを実施するという予想が大勢となっている。最新のロイター調査から分かった。

インフレ圧力がここ数カ月緩和し、労働市場が減速の兆しを示す中、FRB当局者の一角は、著しい経済減速を招くことなくインフレを目標の2%に回帰させることへの自信を強めている。エコノミストらは過去4カ月間、年内利下げは2回のみという予想を維持しているが、その確信はさらに高まっている。

17─23日に実施した調査によると、エコノミスト100人中82人(80%超)が、9月に初回の0.25%ポイントの利下げが実施されると予想した。先月の調査では全体の3分2程度だった。

7月の連邦公開市場委員会(FOMC)での決定については、エコノミスト全員が金利据え置きを予想。初回利下げが11月もしくは12月になるとの予想は15人、利下げが来年まで見送られるという回答は3人のみだった。

さらに、エコノミストのほぼ4分の3に相当する73人が、年内に2回の0.25%ポイントの利下げを想定。先月の調査で示された約60%を上回った。

利下げ時期については、70人が9月と12月と予想した。

UBSのチーフ米国エコノミスト、ジョナサン・ピングル氏は「インフレデータに大きな上振れサプライズがない限り」、9月と12月のFOMCで0.25%ポイントの利下げが実施されると想定。「年内にさらなる利下げの緊急性を生み出すには、予想に反しかなり弱い雇用データが必要になるだろう」と述べた。

また、エコノミスト16人が年内利下げは1回かゼロと予想する一方、11人が2回以上を見込んだ。

調査対象のプライマリーディーラー21人のうち約60%に相当する12人が、年内利下げは2回と予想した。

別の調査によると、エコノミスト30人中17人が、インフレが今年残りの期間、予想より低くなるよりも高くなる可能性が高いと回答した。

FHNファイナンシャルのチーフエコノミスト、クリス・ロー氏は 「今年のインフレは予測が非常に難しい。例えば家賃(の上昇)は想定以上に根強い動きとなっている」と指摘。同時に「緩やかな経済成長が続く限り、FRBは忍耐強く対応できる」という見方を示した。

予測中央値によると、インフレ指標である消費者物価指数(CPI)、コアCPI、個人消費支出(PCE)、コアPCEのいずれの伸びも少なくとも2026年までに2%に達しないとの見方が示された。

*見出しの誤字を修正して再送します

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米失業保険継続受給件数、10月18日週に8月以来の

ワールド

米FRB議長人選、候補に「驚くべき名前も」=トラン

ワールド

サウジ、米に6000億ドル投資へ 米はF35戦闘機

ビジネス

再送米経済「対応困難な均衡状態」、今後の指標に方向
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中