英中銀が金利据え置き、総裁「状況は正しい方向」 利下げ近づく
イングランド銀行(英中央銀行)は9日、政策金利を6会合連続で5.25%に据え置いた。ロンドンの本部、8日撮影。(2024年 ロイター/Carlos Jasso/File Photo)
William Schomberg David Milliken Suban Abdulla
[ロンドン 9日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は9日、政策金利を6会合連続で5.25%に据え置いた。ベイリー総裁は「状況が正しい方向に進んでいると楽観している」と表明。利下げ票を投じた委員も2人に増え、2020年3月以来の利下げに一歩近づいた。
据え置きは7対2で決定。前回利下げ票を投じたディングラ委員に加え、ラムスデン副総裁も0.25%ポイント利下げ支持に回った。
声明は今回、次の経済データを注意深く見守るとの文言を追加した。
「委員会は今後発表されるデータを検討し、それらがインフレ持続リスクが後退しているという評価にどのように影響するかを検討する」と指摘。「その上で、政策金利を現行水準に維持すべき期間について検討する」とした。
ベイリー総裁は声明で、インフレに関するニュースは心強いと指摘。「利下げに踏み切るには、インフレが低水準にとどまることを示す証拠をさらに確認する必要がある」としつつ「状況が正しい方向に進んでいると楽観している」と述べた。
同時に公表された議事要旨によると、据え置きに賛成した委員7人の間では、インフレ圧力がどの程度持続するか、利下げを正当化するために景気減速を示唆する材料がどの程度必要かについて見解の相違が見られた。一方、利下げを主張したラムスデン、ディングラ両氏は、政策決定が経済に影響を与えるまでにある程度時間を要すること、インフレ率が中銀の予想以上に低下する可能性があることを理由に挙げた。
英中銀は今年の成長率予想を0.5%とし、2月時点の0.25%から上方修正した。昨年後半のリセッションは終了したとの見解を示した。