ニュース速報
ビジネス

中独首脳会談、習氏「戦略的観点で関係発展を」 相互依存を強調

2024年04月16日(火)23時14分

中国の習近平国家主席は16日、北京でショルツ独首相と首脳会談を行った。中独が互いを尊重し、違いを留保しながら「共通の基盤」を模索すれば、両国の関係は着実に発展し続けると表明した。写真は3月に北京で撮影した習主席(2024年 ロイター/Tingshu Wang)

Andreas Rinke

[北京 16日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は16日、北京でショルツ独首相と会談し、中独が互いを尊重して違いを留保しながら「共通の基盤」を模索すれば、両国の関係は着実に発展し続けると表明した。

中国とドイツの協力は「リスク」ではなく、安定した関係の保証で、将来へのチャンスと指摘。中国とドイツの産業とサプライチェーン(供給網)は深く結びついており、両国の市場は互いにかなり依存していると語った。

「われわれは長期的かつ戦略的な観点から2国間関係を総合的に捉え、発展させなければならない」と述べた。

ショルツ氏は上海や重慶などの主要都市を訪問し、メルセデス・ベンツのオラ・ケレニウス会長やBMWのオリバー・ツィプセ最高経営責任者(CEO)ら独企業トップが同行した。

習氏は「(中独が)相互に尊重し、相違点を残しつつも共通点を探り、意思疎通を図り、互いから学び、双方に利益のある協力関係を築く限り、両国関係は着実に発展し続けるだろう」と述べた。

ショルツ氏の訪中は、中国サプライヤーへの過度な依存を避ける「デリスキング(リスク低減)」戦略を昨年打ち出してから初めて。また、欧州連合(EU)が電気自動車を含む過剰な中国製品への懸念を示す中で実現した。

ただ、ショルツ氏はこれまで、ドイツにとって重要市場の中国を避けることには慎重で、EUは保護主義的な利己心から行動すべきではないと述べている。

習氏は「(ドイツと中国は)台頭する保護主義を警戒し、市場志向のグローバルな視点から客観的かつ弁証法的に生産能力問題を見るべきだ」とショルツ氏に語った。

また、中国とドイツは機械製造や自動車といった伝統的な分野のほか、グリーントランスフォーメーションやデジタル人工知能(AI)といった新興分野の双方で協力する「巨大な可能性」を持っているとも述べた。

さらに中国が政府補助をテコに過剰生産しているとの批判について「中国のEV、リチウム電池、太陽光発電製品の輸出は世界の供給を潤しインフレ圧力を抑制しただけでなく、気候変動対応や低炭素移行にも大いに寄与した」と述べた。

メルセデス・ベンツのケレニウス会長は北京でドイツの放送局ARDに対し、中国とドイツの経済関係は育むだけでなく拡大すべきだと語った。

中国におけるメルセデスの戦略について、「これほど大きな市場から撤退することは選択肢ではなく、逆に当社の地位を強化することだ」と説明した。

ツィプセ氏はARDの番組で「われわれは(中国に関して)リスクよりもチャンスの方が多いとみている」と述べた。

<ウクライナ、中東情勢にも言及>

習氏はウクライナ危機について、できるだけ早く平和を回復させ、紛争が制御不能に陥らないようするための協力を全ての当事者に呼びかけた。

ショルツ氏に対し、中国は平和的解決に向けたあらゆる努力のほか、ロシアとウクライナの双方が認め、全ての当事者が平等に参加する国際平和会議の開催を支持すると語った。

ショルツ氏は習氏に対し、ロシアに戦争を終わらせるように圧力をかけるよう要請。原子力発電所などの核施設への攻撃を阻止することで習氏と合意したと述べた。

中東情勢を巡っては、パレスチナ国家樹立によるイスラエルとの「2国家共存」が長期的な安全保障と平和を達成する唯一の道となるとの考えで一致したと語った。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ブラックフライデーの米オンライン売上高は過去最高、

ワールド

北朝鮮の金総書記、空軍の核戦争抑止力を強調 式典で

ビジネス

中国製造業PMI、11月は8カ月連続50割れ 非製

ワールド

米・ウクライナ、30日にフロリダで会談 和平案協議
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場の全貌を米企業が「宇宙から」明らかに
  • 4
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 5
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 6
    「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税…
  • 7
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 10
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中