米アマゾン、第4四半期売上高が予想上回る クラウドとEC好調
米アマゾン・ドット・コムが1日発表した2023年第4・四半期決算は、売上高が市場予想を上回った。2021年10月撮影(2024年 ロイター/Pascal Rossignol//File Photo)
Akash Sriram Greg Bensinger
[1日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コムが1日発表した2023年第4・四半期決算は、売上高が市場予想を上回った。生成AI(人工知能)機能の追加が奏功し、クラウドと電子商取引(EC)の両サービスが年末商戦期に好調に推移した。株価は引け後の取引で8%上昇した。
売上高は14%増の1700億ドル。LSEGがまとめたアナリスト予想は1662億1000万ドルだった。調整後1株利益は1ドルで、予想平均の0.80ドルを上回った。
クラウドサービス部門アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の売上高は242億ドル。アナリスト予想(242億6000万ドル)とおおむね一致した。
アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は発表文で、AWSが長期的に顧客と機能提供に向き合い続けてきたとし、多くのサービスに生成AIを組み込む取り組みを挙げた。新機能は全体的な業績に反映され始めていると述べた。
アマゾンはクラウドサービスの世界最大手だが、競合するマイクロソフトとアルファベットが背後に迫る。
ブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は電話会見で、生成AIと大規模言語モデルへの追加投資などでAWSの成長を支援するため、今年の資本経費が増加する見通しだと述べた。
AWSの営業利益率は30%近くとなったが、ビジブル・アルファによると、第3・四半期をわずかに下回った。
インサイダー・インテリジェンスのシニアアナリスト、スカイ・カナベス氏は「AWSが今後の最大の注目点になる。同事業の伸びが緩やかなため、競合社を前に現在の地位を維持できるか疑問が残る」と指摘した。
投資家はまた、アマゾンが動画配信サービス「プライム・ビデオ」に広告付きプランを導入したことから24年第1・四半期の広告収入が増加することに期待している。
オルサブスキーCFOは広告付きプランについて健全なパフォーマンスを見込むとしたが、詳細には言及しなかった。
グローバルXのリサーチアナリスト、マユランキ・デ氏は「アマゾンの広告サービスは勢いを増しており、デジタル広告の統合がマーケットプレイスの収益性を大幅に向上させる可能性を示唆している」と語った。
第4四半期の広告収入は27%増の146億5000万ドルで、ほぼ予想通りだった。
24年第1・四半期の売上高見通しは1380億─1435億ドル。アナリスト予想は1421億3000万ドルだった。
アマゾンの株価は年初来で6%以上、ここ1年で41%上昇した。
アマゾンは昨年に2万7000人余りを削減したのに続き、今年に入っても複数の部門で人員を減らしている。コロナ禍では大幅増員に踏み切っていた。
オルサブスキー氏は、大半の部門で人員数の現状維持を見込んでいると語った。
インベスティング・ドット・コムのシニアアナリスト、ジェシー・コーエン氏は「テクノロジー部門全般に多くの懸念があるにもかかわらずアマゾンは予想外の好調さを保ってきた。現行のコスト削減策が事業見通しにプラスに働いていることが決算で示された」と述べた。