ニュース速報
ビジネス

欧州市場サマリー(2日)

2024年01月03日(水)04時24分

   <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。英長期金利の上昇が嫌気されたほか、金融株の下落も相場を圧迫した。

中型株で構成するFTSE250種指数は0.90%安。英国の10年物国債利回りは米長期金利につられて上昇し、一時は3.695%と2週間ぶりの高水準を付けた。

FTSE350種投資銀行・証券株指数は2.15%下落。保険株指数は1.92%下げた。

一方、英製薬のアストラゼネカは1.8%高。フランスの製薬大手サノフィと共同開発した乳幼児の呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)感染症を予防する抗体療法が中国で承認されたことが買い材料となった。製薬・バイオテクノロジー株指数は1.69%上げた。

石油・ガス株指数は0.44%高。紅海で商船を襲撃したイエメンの親イラン武装組織フーシ派を米軍が撃退したと伝わり、中東原油の供給混乱が警戒されて原油価格が値上がりしたことが相場を支えた。

他の個別銘柄では、英小売大手マークス・アンド・スペンサー(M&S)が1.3%上昇。エグザーヌBNPパリバが投資判断を「中立」から「アウトパフォーム」に引き上げたことが好感された。

S&Pグローバル/CIPSが発表した昨年12月の英製造業購買担当者景気指数(PMI)は生産と雇用の落ち込みが影響し、前月から低下した。

<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。テクノロジー株などの下落が相場を押し下げた。

STOXX欧州600種テクノロジー株指数は1.72%安。オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングが2.6%下げ、オランダ政府が中国への輸出許可の一部を取り消したことが嫌気された。

小売株指数は0.98%、不動産株指数は0.99%それぞれ下げた。

キャピタル・ドット・コムのシニア市場アナリスト、ダニエラ・ハーソン氏は「新しい年、新しい環境との期待があるが基本的には何も変わっていない。(中略)焦点は引き続き経済指標と中央銀行の動きと金融政策にある」との見方を示した。

ユーロ圏の昨年12月のHCOB製造業購買担当者景気指数(PMI)は好不況の分かれ目である50を18カ月連続で下回った。

海運大手マースクは6.4%、ハパックロイドは3.3%それぞれ上昇。フロントラインも3.9%上げた。紅海で船舶への攻撃が続き、貨物運搬の運賃が上昇するとの期待感が買いを誘った。

STOXXユーロ圏銀行株指数は1.61%上昇し、イタリアの銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(MPS)が6.1%上げた。

スイス市場は祝日のため休場だった。

<ユーロ圏債券> 国債利回りが上昇して2024年の取引を開始した。昨年最後の2週間は薄商いの中、24年に約160ベーシスポイント(bp)の利下げが実施されるとの観測などを背景に国債利回りは大きく低下していた。

終盤の取引で独10年債利回りは3bp上昇の2.061%。先週は1.896%と、約1年ぶりの低水準を付けていた。

同利回りは23年全体で55bp低下。年間での低下幅としては14年以来最大だった。欧州中央銀行(ECB)が利上げ局面は終了に近づいていると示唆したことを受け、11月と12月に大きく低下した。

実質ベースの独10年債利回りは、昨年12月末にマイナス0.075%と、同年6月1日以来の低水準を更新。この日の取引ではプラス0.071%となっている。

独2年債利回りは5bp上昇の2.452%。

イタリア10年債利回りはほぼ横ばいの3.713%。先週は3.468%と、22年8月以来の低水準を付けていた。

独伊10年債利回り格差は164bp。このほど154.10bpと、6カ月ぶりの水準に縮小していた。

市場は4日に発表されるドイツのインフレ率など、ユーロ圏のインフレ指標に注目。バンク・オブ・アメリカ(BofA)の欧州エコノミスト、ルーベン・セグラ・カユエラ氏は、エネルギー価格のベース効果を踏まえると、ユーロ圏のインフレ率は昨年12月に加え、今年1月も上昇する可能性が高いと予想。ユーロ圏のインフレ率はECBが目標とする2%を24年8月まで下回らないとの見方を示した。

<為替> 欧州終盤 アジア市場終盤 コード

ユーロ/ドル    1.0955 1.1014

ドル/円 141.89 141.53

ユーロ/円 155.47 155.92

<株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード

STOXX欧州600種 478.51 -0.51 -0.11 479.02

FTSEユーロファースト300種 1887.35 -1.35 -0.07 1888.70

ユーロSTOXX50種 4512.81 -8.84 -0.20 4521.65

FTSE100種 7721.52 -11.72 -0.15 7733.24

クセトラDAX 16769.36 +17.72 +0.11 16751.64

CAC40種 7530.86 -12.32 -0.16 7543.18

<金現物> 午後 コード

値決め 2078.4

<金利・債券>

米東部時間13時20分

*先物 清算値 前日比 前営業日終盤 コード

3カ月物ユーロ 96.12 -0.01 96.13

独連邦債2年物 106.46 -0.09 106.55

独連邦債5年物 119.11 -0.17 119.28

独連邦債10年物 136.89 -0.33 137.22

独連邦債30年物 140.46 -1.26 141.72

*現物利回り 現在値 前日比 前営業日終盤 コード

独連邦債2年物 2.461 +0.055 2.400

独連邦債5年物 1.997 +0.048 1.946

独連邦債10年物 2.069 +0.040 2.029

独連邦債30年物 2.312 +0.055 2.258

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米最高裁、教育省解体・職員解雇阻止の下級審命令取り

ワールド

トランプ氏、ウクライナに兵器供与 50日以内の和平

ビジネス

米国株式市場=小反発、ナスダック最高値 決算シーズ

ワールド

ウへのパトリオットミサイル移転、数日・週間以内に決
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 2
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 7
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 10
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中