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午後3時のドルは小幅安143円半ば、実需の売りや米金利低下で

2023年12月20日(水)15時16分

 12月20日、午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(143.82/85円)から小幅にドル安/円高の143円半ばで推移している。写真は米ドル紙幣。2009年11月撮影(2023年 ロイター/Rick Wilking)

Mariko Sakaguchi

[東京 20日 ロイター] - 午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(143.82/85円)から小幅にドル安/円高の143円半ばで推移している。前日の日銀金融政策決定会合の政策現状維持を受けたドル買い/円売りが一服。ドルは実需の売りに押されたほか、時間外取引の米長期金利の低下を受けて弱含んだ。

ドルは五・十日に伴い仲値にかけて国内輸入企業による買いが入った一方、「国内輸出企業の売りも相応に出た」(国内銀行セールス担当)とみられ、売り買いが交錯した。ドルは上値の重さから、145円付近では実需の売りが断続的に出やすいとみられている。

前日の日銀金融政策決定会合では政策の現状維持が決定し、その後の植田和男日銀総裁の会見でもマイナス金利の解除時期は示されなかった。市場の早期政策修正への期待を背景とした行き過ぎた下落の反動もあり、ドルは一時144.95円付近まで上昇。その後は米利下げ観測の広がりや利益確定売りの動きが出たとみられ、足元では143円半ば付近で推移している。

足元のドル/円は「144-146円を中心としたコアレンジになる」と、SBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏は予想する。12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)のハト派はサプライズだったことから、ドル円のレンジは切り下がった一方、日銀によるマイナス金利解除の時期など先行きの金融政策に対する不透明感から、極端な円高にも触れにくいとみる。

市場では日銀による早期の政策修正期待は後退したものの、来年のどこかのタイミングでマイナス金利解除に踏み切るとの見方は根強い。

みずほ銀行のチーフマーケットストラテジスト、鈴木健吾氏は「金融引き締めを進めた米連邦準備理事会(FRB)と金融緩和を継続する日銀という、ここ2年の構図ではなくなっている」とし「ドル/円のトレンドは下方向に向きやすい」との見方を示す。

テクニカル的には、今年の1月から10月にかけてのドル/円の上昇トレンドは、145円を下回った際に壊れたとみられる。去年の3月と今年の安値を結んだトレンドは維持しているものの、直近の安値の140.95円付近を下回れば、去年と今年の2年間のトレンドも壊れていくという。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 143.58/143.61 1.0963/1.0967 157.44/157.45

午前9時現在 143.92/143.93 1.0978/1.0982 158.01/158.02

NY午後5時 143.82/143.85 1.0980/1.0984 157.92/157.96

ロイター
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