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焦点:EV価格競争激化する中国、地元勢「勝機」の鍵はハイブリッド車

2023年11月25日(土)07時08分

11月21日、 中国で事業を展開する電気自動車(EV)メーカー各社による需要喚起に向けた価格競争が激しさを増す中で、強力なハイブリッド車(HV)の品ぞろえを持つ地元ブランドが「勝ち組」になりつつある。写真は4月、上海オートショーに展示されたEV車(2023年 ロイター/Aly Song)

[上海 21日 ロイター] - 中国で事業を展開する電気自動車(EV)メーカー各社による需要喚起に向けた価格競争が激しさを増す中で、強力なハイブリッド車(HV)の品ぞろえを持つ地元ブランドが「勝ち組」になりつつある。ガソリン車よりも安い価格で長い走行距離が得られる点が消費者を引きつけている。

欧米では自動車ローンのコスト増大などを理由にEV販売が失速気味なだけに、こうした潮流は、電動化戦略を多角的に推進しているトヨタ自動車やホンダなどの世界的なメーカーにとって一筋の光明かもしれない。

販売台数世界トップのトヨタは、既にその3分の1はHVが占め、4─9月のHV販売は34%増と売上高全体の9%増をしのぐ伸びだ。

しかし複数の専門家は、トヨタなどは今、中国勢がもたらす脅威の高まりに直面していると警告する。中国勢はサプライチェーン(供給網)への大規模な投資を経て、世界で最も安価なEVの生産者としての強みを得たことに意気軒昂となっている。

米国では、有力なHVの大半は内燃エンジン車より1台当たり1500─2000ドル高い価格で売られているが、中国国内の一部HVの価格はガソリン車を下回っており、純粋なEVと比べても最大23%安い。

このような価格優位性に加えて、日常の短距離走行ならば純粋なEVとほぼ同じでガソリン消費が極めて少ないことが、中国の消費者をHVに呼び込んでいる。

上海交通大学のインテリジェント自動車研究所のシュー・ミン教授は、中国の人々はHVをますます受け入れるようになってきたと指摘。ガソリンエンジンの燃費効率が悪い場所では、電気モーターでカバーできる点をメリットとして挙げた。

しっかりした需要があるのは充電が可能なプラグインハイブリッド車(PHEV)と、エンジンを発電のみに利用するレンジエクステンダー(RHEV)の2種類で、業界データによると今年の合計出荷台数の伸び率は85%と、純粋なEVの14%をはるかにしのぐ。

中国汽車工業協会(CAAM)のデータを見ると、この種のHVは需要が非常に強いため、今や市場規模は純粋なEVの半分に達し、乗用車販売総数の12%を占めるまでになったことが分かる。

レンジエクステンダーとして中国で最も人気の高いメーカーは理想汽車で、大型SUV(スポーツタイプ多目的車)の新車納入待ちの顧客は数千人に上る。他の多くのブランドが売れ残った在庫の処分に苦慮しているのとは対照的だ。

コンサルティング会社オートモーティブ・フォーサイトのマネジングディレクター、イェール・ツァン氏は「レンジエクステンダーは、走行距離の悩みを解決し、燃費を向上させ、より安い価格で買いたいと思っている中国のドライバーにとって最適な選択肢だ」と説明した。

PHEVの分野では、BYD(比亜迪)が支配的な地位を固め、中国におけるPHEV販売台数上位10車種のうち8車種を取り扱っている。

<苦戦する外国メーカー>

中国メーカーのレンジエクステンダーないしPHEVの人気の高まりは、ガソリン車だけでなく、トヨタが1990年代終盤に「プリウス」を投入して先駆者となった、主としてガソリンを動力源とする従来のHVの販売にも影響を及ぼしている。

トヨタは中国におけるこの従来のHVで販売上位4車種を引き続き牛耳っているものの、販売台数自体は15%減少。ガソリン車販売も11%減り、中国勢に押されている外国メーカーの現状が浮き彫りにされた。

これは電池主体のHVを税制面で優遇している中国政府の政策による面もある。

レンジエクステンダーに関しても2017年、中国市場に外国メーカーとして初めて参入した米ゼネラル・モーターズ(GM)は売れ行きが全く振るわず、20年に販売を中止。一方後発で量産化に乗り出した理想汽車は今年1-9月の販売台数が24万4225台を記録した。

このようなトヨタやGMの苦戦ぶりは、成長が見込まれる輸出市場において中国勢の脅威が増大している事態をまざまざと思い起こさせる。

例えばBYDは今、中南米市場でPHEVの販売拡大を目指そうとしている。

上海交通大学のシュー教授は、ドライバーの需要が地域ごとに異なる点は中国車の販売に影響を与える可能性があると指摘する。実際北米の場合、より大きな馬力の車が好まれるので、従来のHVの方が人気を集められている。

それでも従来のHVは、消えゆく運命にあるガソリンエンジンを一時的に延命させる役割を果たしているに過ぎず、長期的な将来性は疑わしいとの声も聞かれる。

ロイター
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