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米ADP民間雇用、9月8.9万人増と予想下回る 2年半ぶりの小幅な伸び

企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が4日発表した9月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は8万9000人の増加で、ロイターがまとめた予想の15万3000人を大きく下回った。米ケンタッキー州ルイビルで2021年4月撮影(2023年 ロイター/Amira Karaoud)
[ワシントン 4日 ロイター] - 企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が4日発表した9月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は8万9000人の増加で、ロイターがまとめた予想の15万3000人を大きく下回り、2021年1月以来約2年半ぶりの小幅な伸びとなった。大企業での雇用削減が響いた。
8月分は17万7000人増から18万人増に上方改定された。
9月の転職者の賃金は前年同月比9%上昇。前月の9.7%上昇から伸びが鈍化した。
ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は「今月は雇用の大幅な減少が見られる」と指摘。「さらに過去12カ月間で賃金が着実に鈍化している」とした。
大規模企業の雇用は8万3000人減少。一方、小規模企業は9万5000人、中規模企業は7万2000人それぞれ増加した。
業種別では、製造業で1万2000人減、貿易・運輸・公益で1万3000人減、専門・ビジネスサービスで3万2000人減となった一方、建設、金融、教育、医療サービスで増加した。
JPモルガンのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「ADPと米雇用統計の相関は緩やかだが、ADPの数値はここ数カ月で雇用の伸びが鈍化している傾向を示しており、これは労働市場で起こるべき姿とおおむね一致している」と述べた。
一方、ゴールドマン・サックスは「新たな調査方法の導入以来、ADPと米雇用統計は負の相関関係があるほか、ADPの9月の小幅な伸びは大規模企業の雇用減が要因である一方、ADPのサンプルは中小企業に偏っているため、われわれはADPの今回の雇用者数の伸びが市場予想を下回ったことをあまり重視していない」とした。