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証券監視委、千葉銀・武蔵野銀などに対する行政処分を勧告 仕組み債で
[東京 9日 ロイター] - 証券取引等監視委員会は9日、複雑でリスクの高い「仕組み債」を十分な説明をせずに顧客に販売したとして、千葉銀行と傘下のちばぎん証券、武蔵野銀行に対して行政処分を行うよう、金融庁に勧告した。金融庁は今後、業務改善命令などの処分を検討する。
金融商品取引法は、顧客の知識や経験、財産状況を踏まえて商品の勧誘・販売を行うよう定めている。ちばぎん証券は投資経験の少ない顧客に十分にリスクを説明せずに高金利等の優位性を強調して仕組み債を販売したこと、武蔵野銀行と千葉銀行は顧客紹介に問題があったとして、投資者保護上の問題行為として認められた。
証券監視委が実施したヒアリング結果によると、営業員が銀行員の顔色をうかがい顧客の利益よりも銀行との良好な関係性を維持することを優先したり、銀行員が事前勧誘をしたりしたケースがあった。
また、ちばぎん証券は口座数に占める苦情件数が日本証券業協会の中で最も多く、日証協はこれまでに3回注意喚起をしたが、経営陣は業務改善に十分取り組まなかったとしている。
金融庁は22年8月に公表した金融行政方針で、モニタリングを強化する方針を明らかにしていた。4月に公表した全国の地銀100行を対象にした調査によると、22年3月末で8割だった仕組み債の取り扱い行は同11月末には3割に減少していた。
ちばぎん証券は2022年8月に、仕組み債の販売を全面的に中止している。