ニュース速報

ビジネス

米貿易赤字、4月は23%増の746億ドル 約8年ぶりの高い伸び

2023年06月08日(木)00時52分

米商務省が7日発表した4月の貿易赤字は746億ドルと、前月から23.0%増加し、6カ月ぶりの高水準となった。財(モノ)の輸入が回した一方でエネルギー製品の輸出が減少し、増加率は2015年3月以来の大きさとなった。こうした傾向が続けば、第2・四半期は貿易が経済成長の足かせになる可能性がある。(2023年 ロイター/Lindsey Wasson)

[ワシントン 7日 ロイター] - 米商務省が7日発表した4月の貿易赤字は746億ドルと、前月から23.0%増加し、6カ月ぶりの高水準となった。財(モノ)の輸入が回した一方でエネルギー製品の輸出が減少し、増加率は2015年3月以来の大きさとなった。こうした傾向が続けば、第2・四半期は貿易が経済成長の足かせになる可能性がある。

3月の貿易赤字は606億ドルと、当初発表の642億ドルから縮小した。

FWDBONDS(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「貿易条件が悪化しているため、第2・四半期の実質国内総生産(GDP)の伸び率の推計値は1%に近くなる可能性がある」としている。

4月は輸入が1.5%増の3236億ドル。

財は2.0%増の2632億ドル。自動車・部品、エンジンのほか、工業用品や材料の輸入が増加した。一方、石油の輸入は21年8月月以来の低水準に落ち込んだ。

消費財は携帯電話などの日用品が牽引し、18億ドル急増。一方、食品は21年12月以来の低水準となった。

サービスは輸送と旅行の減少が重しとなり、4億ドル減の604億ドル。

輸出は3.6%減の2490億ドルと、22年3月以来の低水準。減少率は過去3年で最大となった。

財は5.3%減の1671億ドルと、22年2月以来の低水準。世界的な需要鈍化を反映し、3年ぶりの大きな減少となった。

原油や燃料油を中心とした工業用品・素材の輸出が大幅に減少したことが主な要因。石油を含む工業用品・素材の輸出は21年11月以来の低水準となった。

消費財のほか、金融サービスと政府の財・サービスも減少した。

一方、サービス輸出は旅行やビジネスサービスの増加を反映し、2億ドル増の819億ドルと、過去最高となった。

サービス貿易収支の黒字は21年3月以来の高水準。インフレ調整後の財の貿易収支の赤字は958億ドルと、16.5%急増した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ

ニュース速報

ビジネス

タイ中銀、政策金利を0.25%引き上げ 予想外の利

ビジネス

今年の中国成長率は5%強に、「日本化」懸念せず=人

ビジネス

独消費者信頼感指数、10月は-26.5に低下=Gf

ワールド

メキシコ、南部国境に移民集中 北部にも流入

MAGAZINE

特集:日本化する中国経済

特集:日本化する中国経済

2023年10月 3日号(9/26発売)

バブル崩壊危機/デフレ/通貨安/若者の超氷河期......。失速する中国経済が世界に不況の火種をまき散らす

メールマガジンのご登録はこちらから。

人気ランキング

  • 1

    黒海艦隊「提督」の軽過ぎた「戦死」の裏に何があったのか

  • 2

    「可愛すぎる」「飼いたくなった」飼い主を探して家中さまよう子ヤギ、その必死さにネット悶絶

  • 3

    西日本最大級のグルメイベント「全肉祭」 徳島県徳島市にて10/20~10/22に第4回開催決定!

  • 4

    ロシア黒海艦隊、ウクライナ無人艇の攻撃で相次ぐ被…

  • 5

    ウクライナが手に入れた英「ストームシャドウ」ミサ…

  • 6

    中国高官がまた1人忽然と消えた...中国共産党内で何…

  • 7

    「中流階級」が50%以下になったアメリカ...縮小する…

  • 8

    中国の原子力潜水艦が台湾海峡で「重大事故」? 乗…

  • 9

    中央アジアでうごめく「ロシア後」の地政学

  • 10

    最新兵器が飛び交う現代の戦場でも「恐怖」は健在...…

  • 1

    黒海艦隊「提督」の軽過ぎた「戦死」の裏に何があったのか

  • 2

    マイクロプラスチック摂取の悪影響、マウス実験で脳への蓄積と「異常行動」が観察される

  • 3

    最新兵器が飛び交う現代の戦場でも「恐怖」は健在...「スナイパー」がロシア兵を撃ち倒す瞬間とされる動画

  • 4

    常識破りのイーロン・マスク、テスラ「ギガキャスト」に…

  • 5

    これぞ「王室離脱」の結果...米NYで大歓迎された英ウ…

  • 6

    「ケイト効果」は年間1480億円以上...キャサリン妃の…

  • 7

    中国の原子力潜水艦が台湾海峡で「重大事故」? 乗…

  • 8

    J.クルーのサイトをダウンさせた...「メーガン妃ファ…

  • 9

    ロシアに裏切られたもう一つの旧ソ連国アルメニア、…

  • 10

    「この国の恥だ!」 インドで暴徒が女性を裸にし、街…

  • 1

    イーロン・マスクからスターリンクを買収することに決めました(パックン)

  • 2

    <動画>ウクライナのために戦うアメリカ人志願兵部隊がロシア軍の塹壕に突入

  • 3

    中国の原子力潜水艦が台湾海峡で「重大事故」? 乗組員全員死亡説も

  • 4

    コンプライアンス専門家が読み解く、ジャニーズ事務…

  • 5

    「児童ポルノだ」「未成年なのに」 韓国の大人気女性…

  • 6

    サッカー女子W杯で大健闘のイングランドと、目に余る…

  • 7

    「これが現代の戦争だ」 数千ドルのドローンが、ロシ…

  • 8

    「この国の恥だ!」 インドで暴徒が女性を裸にし、街…

  • 9

    墜落したプリゴジンの航空機に搭乗...「客室乗務員」…

  • 10

    ロシア戦闘機との銃撃戦の末、黒海の戦略的な一部を…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中