ニュース速報

ビジネス

世銀、23年の世界成長率予測を上方修正 24年は引き下げ

2023年06月07日(水)07時27分

世界銀行は最新の世界経済見通しで2023年の成長率予測を2.1%とし、今年1月公表の前回予測の1.7%から上方修正した。2018年、インドネシアで撮影(2023年 ロイター/Johannes P. Christo/File Photo)

[ワシントン 6日 ロイター] - 世界銀行は6日発表した最新の世界経済見通しで2023年の実質GDP(国内総生産)成長率予測を2.1%とし、今年1月公表の前回予測の1.7%から上方修正した。米国などの主要国の経済が予想されていたより強靱だと判断した。

ただ、成長率は22年の3.1%を下回る。

一方、24年の成長率見通しは2.4%と前回予測の2.7%から引き下げ、主要中央銀行による政策金利の上昇が予想されていたよりも大きく足を引っ張ると分析した。金融引き締めの強化の影響で、特に企業の設備投資や住宅投資が減っていると指摘した。

世銀のチーフエコノミスト、インダーミット・ギル氏は新たな予測について、23年は依然として先進国にとって過去50年間で最も成長が緩やかな年の一つになると指摘。開発途上国の3分の2は22年よりも成長率が低下し、パンデミック(世界的大流行)からの回復と貧困削減が大きく後退し、政府債務を巡る苦境が増大するとした。

記者団に対し「来年末になっても、発展途上国の3分の1は19年末の一人当たり所得水準を上回ることはない」とした。

世銀は「金融引き締めの継続的な影響と、より制約的な信用状況によって年内の経済成長はかなり減速する」とし、「これらの要因は来年に向けて経済活動に引き続き影響を与え、世界経済の成長率は前回予測を下回ると想定される」とのコメントを出した。

25年の成長率は3.0%に回復すると予測した。

米国の23年の成長率見通しは1.1%と、前回予測の0.5%から引き上げた。24年見通しは0.8%と、前回予測の1.6%から半減した。

中国の23年の成長率予測は5.6%と、前回予測の4.3%から上方修正。24年見通しは5.0%から4.6%へ引き下げた。

ユーロ圏の23年成長率見通しは0.4%と、前回予測の横ばいから引き上げた。24年の成長率見通しは小幅に引き下げた。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

過度な為替変動に警戒、リスク監視が重要=加藤財務相

ワールド

アングル:ベトナムで対中感情が軟化、SNSの影響強

ビジネス

S&P、フランスを「Aプラス」に格下げ 財政再建遅

ワールド

中国により厳格な姿勢を、米財務長官がIMFと世銀に
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 2
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 5
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 6
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 7
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 8
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 9
    ビーチを楽しむ観光客のもとにサメの大群...ショッキ…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 4
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 5
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 10
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中