ニュース速報

ビジネス

FRB、あと1回利上げし年内維持へ 利下げの根拠確認せず=ボストン連銀総裁

2023年03月31日(金)03時20分

米ボストン地区連銀のコリンズ総裁は、米連邦準備理事会(FRB)が年内にあと1回利上げを実施し、その後は年末までその水準を維持する公算が大きいという見通しを示した。2013年、ワシントンで撮影(2023年 ロイター/Jonathan Ernst/File Photo)

[ワシントン 30日 ロイター] - 米ボストン地区連銀のコリンズ総裁は30日、米連邦準備理事会(FRB)が年内にあと1回利上げを実施し、その後は年末までその水準を維持する公算が大きいという見通しを示した。

コリンズ総裁は「インフレは依然として高すぎる」とし、最近の指標はインフレを目標の2%に向け低下させるために「なおやるべきことがある」という自身の考えを支えていると語った。

同時に、地銀の破綻などによって金融政策見通しを巡る不確実性が高まったと指摘。「銀行システムは引き続き強固で強靭だが、最近の動向を踏まえ、銀行がやや保守的な見通しを示し融資基準を厳格化することで、景気の減速とインフレ圧力の緩和に寄与する可能性が高い」とし、「こうした動きは追加利上げの必要性を部分的に相殺する可能性がある」と述べた。

さらに、金融セクターで再び問題が発生すれば、現行の金融政策見通しに「影響を与えるだろう」という認識を示した。

FRBは市場の状況を監視しており、「銀行システムの安全性と健全性を保つために、あらゆる手段を行使する用意がある」とした。

また、市場が年内の利下げの可能性を見込んでいることについては、FRBがインフレ抑制に取り込む中、年内利下げの根拠は確認していないと述べた。

FRBが先週0.25%ポイント利上げに踏み切ったことに支持も表明した。

最近のデータは「多くが予想していた以上に経済に基調的な力強さがある兆候を示している」とし、堅調な雇用と消費支出は「政策が完全に制約的な水準に至ったのは2022年後半であることを反映している可能性があり、実際の経済活動への影響を見極めるのは時期尚早かもしれない」と述べた。

しかし、コロナ禍で大きな打撃を受けた分野の雇用が回復に近づく中、「労働需要鈍化の兆しが現れつつある」と指摘。「賃金の伸び鈍化の初期の兆候も見られるかもしれない」としつつも、インフレの持続的な改善にはさらなる確証を得る必要があるという考えを示した。

コリンズ総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っていない。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

再送-オリックス、純利益予想を上方修正 再エネの持

ワールド

スペイン国王が訪中、習主席と会談 関係強化目指す

ワールド

ロシア、 ウクライナと協議再開の用意と外務省高官

ビジネス

適切な金融政策運営が非常に重要、政府日銀一体で取り
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 2
    ギザのピラミッドにあると言われていた「失われた入口」がついに発見!? 中には一体何が?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 6
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働…
  • 7
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 8
    「流石にそっくり」...マイケル・ジャクソンを「実の…
  • 9
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中