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米テスラ、次世代モデルの生産コスト半減へ 低価格車は公表せず
3月1日、 米電気自動車(EV)大手テスラが1日に開いた投資家向けイベントで、チーフエンジニアのラース・モラビー氏は次世代モデルの生産コストを現行の「モデル3」や「モデルY」の半分に抑えるとの見通しを示した。写真はテスラのイーロン・マスクCEO。ノルウエーで2022年8月撮影(2023年 ロイター/ NTB/Carina Johansen via REUTERS)
[サンフランシスコ 1日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラが1日に開いた投資家向けイベントで、チーフエンジニアのラース・モラビー氏は次世代モデルの生産コストを現行の「モデル3」や「モデルY」の半分に抑えるとの見通しを示した。
イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は期待が高まっていた低価格モデルの投入計画については明らかにしなかった。
テスラの株価は時間外取引で5%以上下落した。
マスク氏は、隠された2台の車両を示したスライドについてコメントを避けた。テスラがモデル3とモデルYの改良型の導入を計画しているとのロイターの報道にもコメントしなかった。
デザイン担当トップのフランツ・フォンホルツハウゼン氏は、ピックアップトラック「サイバートラック」を年内に投入すると述べた。
グローバル生産責任者に就任したTom Zhu氏は、テスラの全世界の年間生産能力が200万台になったと明らかにした。
ザック・カークホーン最高財務責任者(CFO)は、年間生産台数を現在比10倍の2000万台に増やすという2030年までの長期目標を達成するにはこれまでの6倍の投資が必要になるとの試算を示した。額は1750億ドルになる可能性があるという。
マスク氏は質疑応答の冒頭、新工場をメキシコ北部に建設すると発表。同社にとって、米国、ドイツ、中国以外では初の工場となる。
<大衆市場>
マスク氏は販売台数を伸ばす鍵は販売価格を引き上げることだと指摘し、今年実施した割引が需要を喚起したとの見方を示した。
「テスラ車を所有したいという人々の欲求は非常に高いが、支払い能力がネックになっている」と述べた。
同氏は、年間販売台数2000万台を達成するには10車種必要との認識を示した。現在は4車種にとどまっている。平均して1車種当たり200万台販売する必要がある。トヨタ自動車のカローラの全世界での販売台数は年間100万台強となっている。
テスラの著名株主ロス・ガーバー氏はツイッター上で、この日のイベントが次世代モデルの情報を小出しにして関心を引くティーザーになったと指摘。「もうすぐ出るだろう。会社側がはっきりさせた。生産コストを50%減らし、2万5000─3万ドルのEVが手に入るようになる」と投稿した。
持続可能エネルギーへの移行と低価格EVの普及にはバッテリー技術が「根本的な制約要因」とマスク氏は指摘しており、テスラは技術の改善が求められる。
同社は新型リチウムイオン電池「4680」の生産規模拡大に苦戦しているが、幹部らは年内に量産を開始できる公算が大きいとの見通しを示した。2種類の生産プロセスをまだテストしているとも述べた。