ニュース速報

ビジネス

米GM、23年利益見通しが予想上回る 株価一時8%高

2023年02月01日(水)00時51分

米GMが発表した第4・四半期決算は純利益が増加した。2021年3月、デトロイトで撮影(2023年 ロイター/Rebecca Cook//File Photo)

[デトロイト 31日 ロイター] - 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が31日に発表した第4・四半期決算は純利益が増加した。また、2023年の利益見通しが予想を上回ったほか、20億ドルのコスト削減を見込んだことなどを受け、株価は序盤の取引で一時8%超上昇した。

25年までの税引前利益率は8─10%で安定的に推移すると予想した。

GMが24年前半までに北米で製造を計画している電気自動車(EV)は約40万台のみで、同社の業績は主に内燃エンジンのトラックとスポーツ多目的車(SUV)の販売に依存することになる。

投資家向け説明会では、今後数年間はこれらの自動車に対する需要によって収益性が左右されるとした上で、シボレー、GMCのピックアップトラック、収益性の高い大型SUVなどが米市場で販売台数トップになっていると強調した。

これに対し、モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョナス氏は、GMの見通しは「今年の高いハードルを示している」と指摘。他の自動車メーカーの販売が縮小する可能性がある中、GMは販売増加を見込んでいるとし、「金利上昇、低成長の環境下で、このような支出計画を自己資金で賄うことができるかどうか疑問だ」とした。

<コスト削減>

ポール・ヤコブセン最高財務責任者(CFO)は記者団に対し、GMは、自然減による従業員の減少を含め自動車事業で今年20億ドルのコスト削減を計画しているが、レイオフは計画していないと述べた。

また、米国の自動車市場は引き続き堅調で、自動車とライトトラックの販売台数は昨年の1390万台から23年には1500万台に増加すると見込んだ。

米EV大手テスラや同業フォード・モーターが実施した人気EVの値下げによる潜在的な影響についてはほとんど懸念していないとし、「われわれが市場に投入した価格戦略では、信じられないほど強い需要があると見ている」と言及。EVの値下げはGMの内燃自動車の価格に影響を与えないとした。

23年は中核となる自動車事業の一貫した好調を見込み、通期の営業利益は105億─125億ドル(1株当たり6.00─7.00ドル)と予想。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は1株当たり5.73ドルだった。

22年の営業利益は145億ドルだった。

第4・四半期は北米での価格上昇と販売台数の増加がコスト増を上回り、株主に帰属する純利益は20億ドルと前年同期の17億ドルから増加。1株当たり営業利益は2.12ドルとアナリスト予想の1.69ドルを上回った。

GMの北米での自動車販売価格は22年の平均で5万1000ドルと過去最高を記録。より高価で利益率の高い自動車の生産に集中したことが寄与した。

23年の設備投資は110億─130億ドルと22年の90億ドルから増加する見込み。

EVの売上高は25年までに500億ドル(総売上高の約22%)に達し、税引前利益率は1桁台前半から半ばになると見込んだ。

決算発表に先立ち、GMはリチウム・アメリカズに6億5000万ドルを投資し、ネバダ州のリチウム鉱山を共同開発すると発表した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、エヌビディア半導体「H200」の中国販売認可を

ワールド

米国の和平案でウクライナに圧力、欧州は独自の対案検

ワールド

プーチン氏、米国のウクライナ和平案を受領 「平和実

ビジネス

ECBは「良好な位置」、物価動向に警戒は必要=理事
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体制で世界の海洋秩序を塗り替えられる?
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 8
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中