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HSBC、カナダ事業の全株売却検討を示唆 戦略的な選択肢検討

英銀大手HSBCは4日、一部で報じられていたカナダ事業バンク・カナダの見直しを認め、100%保有株の全株売却を選択肢として検討していることを示唆した。写真は2019年8月、ニューヨークで撮影(2022年 ロイター/Brendan McDermid)
[ロンドン 4日 ロイター] - 英銀大手HSBCは4日、一部で報じられていたカナダ事業バンク・カナダの見直しを認め、100%保有株の全株売却を選択肢として検討していることを示唆した。声明で「戦略的な選択肢を現在検討している」と表明した。見直しは初期段階だとした。
バンク・カナダはHSBCが100%保有し、商業銀行と個人資産運用と投資銀行とマーケットサービスの4部門から成る。リフィニティブのデータによるとカナダの銀行では資産規模で7位で、国内銀行が優勢なカナダ市場で外銀の最大手。直近の財務報告では、今年6月末時点の資産は1250億カナダドル(920億米ドル)となっている。
1─6月の税引き前利益は4億9000万カナダドルで、HSBCが最近、売却を試みた事例と違って黒字だ。売却に当たってはHSBCが現在の企業価値にかなり上乗せした水準を希望する可能性が高い。HSBCはバンク・カナダの現在の企業価値評価についてはコメントを拒んでいる。
HSBCは昨年から今年にかけて、米国の消費者向け銀行事業撤退の意向やフランスのリテール事業の売却意向を発表。収益性を改善し、大株主である中国平安保険によるアジア事業分離の要求をかわす狙いの一環と見なされている。