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債券市場の機能度DI、8月は-40に悪化 6月の市場混乱が尾を引く

2022年09月01日(木)17時46分

 9月1日、日銀が発表した「債券市場サーベイ」の8月調査によると、債券市場の機能度に対する市場参加者の見方を示す機能度判断DIはマイナス40となった。東京都の日銀前で6月17日撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 1日 ロイター] - 日銀が1日発表した「債券市場サーベイ」の8月調査によると、債券市場の機能度に対する市場参加者の見方を示す機能度判断DIはマイナス40となった。前回5月調査(マイナス27)から悪化し、新型コロナウイルスの感染拡大で金融市場が動揺した2020年5月調査以来の低水準となった。6月の債券先物の波乱展開や日銀による国債大量購入が尾を引き、注文量が減るなどした。

機能度判断DIは機能度が「高い」と答えた割合から「低い」と答えた割合を差し引いた数字で、マイナスの数字が大きいほど市場機能が低下していると判断している市場参加者が多いことを意味する。

調査期間は8月1─5日、日銀の国債売買オペ先や大手機関投資家など69社を対象に調査を行った。

機能度判断DIのうち「3カ月前と比べた変化」はマイナス42で、こちらも20年5月調査以来の低水準。

日銀の担当者はDI悪化の背景として、国債市場での取引が減ったとみる先や、価格目線がそろいにくくなったとみる先が増えたことを挙げた。「5月調査以降、債券先物市場の値動きや超長期金利の上昇や先高観、市場参加者のリスクテイク姿勢の変化などが注文量の減少やスプレッドの拡大に影響している」と述べた。

取引時のビッド・アスク・スプレッドの判断DIは前回のマイナス17からマイナス28に悪化したほか、市場参加者の注文量判断DIもマイナス27からマイナス50に悪化した。

金利見通しでは、長期金利(新発10年国債利回り)の先行き見通しの中央値は22年度末が0.25%(前回は0.25%)、23年6月末が0.25%(前回は調査対象外)となる一方、23年度末は0.30%(前回は0.25%)、24年度末は0.35%(同0.30%)と前回より引き上げられた。23年4月の日銀新総裁就任後、7月から23年度末の間に何らかの政策修正が行われる展開を市場参加者が見ている可能性が示唆される。

超長期ゾーンは軒並み見通しが引き上げられた。20年債利回りでは、22年度末が0.90%(同0.80%)、23年度末が0.95%(同0.90%)、24年度末は1.00%(同1.00%)。30年債利回りでは、22年度末が1.20%(同1.07%)、23年度末は1.30%(同1.10%)、24年度末が1.40%(同1.20%)。

(和田崇彦)

ロイター
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