ニュース速報

ビジネス

中国製造業PMI、8月は50.1に低下 非製造業の景況悪化

2021年08月31日(火)12時34分

中国国家統計局が31日発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1と、前月の50.4から小幅に低下した。写真は、中国浙江省杭州市にあるアリババ関連会社の工場内部。2020年11月10日に撮影。(2021年 ロイター/Aly Song)

[北京 31日 ロイター] - 中国国家統計局が31日発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1と、前月の50.4を下回り、景況改善の鈍化を示した。同時に発表した同月の非製造業PMIは景況改善・悪化の分岐点となる50を割り込んだ。新型コロナウイルス対策の規制や原材料価格の上昇が響いた。

中国経済はコロナによる昨年の落ち込みから急速に回復したが、このところ勢いを失っている。最近の国内感染者増加や輸出の鈍化、不動産市場の過熱抑制策、環境対策が背景にある。

製造業PMIはアナリスト予想(50.2)を下回った。

キャピタル・エコノミクスのシニア中国エコノミスト、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は「中国経済が(8月に)収縮した可能性が示された。新型コロナによる停滞がサービス業活動への大きな重荷となったからだ。供給制約の悪化と軟調な需要も企業活動が勢いを失う原因になった」と分析した。

最近の不調は新型コロナ対策の制限緩和でほぼ解消される見込みだが、金融状況の逼迫と海外需要の鈍化が引き続き中国経済を圧迫する見通しだと述べた。

国家統計局が発表した8月の非製造業PMIは47.5と、7月の53.3から低下し、コロナ流行ピークの昨年2月以来初めて50の節目を割り込んだ。

統計局の高官、趙慶河氏は「複数の省や場所でのコロナ感染拡大は回復途上にあるサービス業にとって大きなショックだった」と指摘。ケータリング、輸送、宿泊施設、娯楽産業が最も影響を受けたとした。一方、建設活動は3月以来の高ペースで拡大した。

中国の国内感染者数は30日まで3日連続でゼロに抑えられており、最近の感染拡大局面はほぼ収束したとみられる。ただ、国内各地の当局は一斉検査の実施や移動制限などの対策を講じた。

製造業PMIでは、新規受注が50を割り込み、新規輸出受注が1年余りぶりの低水準である46.7に落ち込むなど、需要急減がみられた。雇用も7月と同じペースで減少した。

製造業と非製造業を合わせた総合PMIは48.9で、前月の52.4から低下した。

*情報を追加しました

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ソニー、米パラマウントに260億ドルで買収提案 ア

ビジネス

ドル/円、152円台に下落 週初から3%超の円高

ワールド

イスラエルとの貿易全面停止、トルコ ガザの人道状況

ワールド

アングル:1ドルショップに光と陰、犯罪化回避へ米で
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中