ニュース速報

ビジネス

スズキ、7月の四輪生産台数は計画比80%前後 半導体不足で=株主総会

2021年06月25日(金)15時38分

 6月25日、スズキの鈴木俊宏社長は、静岡県浜松市内で開いた定時株主総会で、世界的な半導体不足による四輪車生産への影響についての株主からの質問に、部品が計画通りに調達できない状況だが、仕様変更や生産車種の調整などを進め、「生産を1台でも増やす取り組みを続けている」と述べた。写真はパリで2018年10月撮影(2021年 ロイター/Benoit Tessier)

[東京 25日 ロイター] - スズキの鈴木俊宏社長は25日、静岡県浜松市内で開いた定時株主総会で、世界的な半導体不足による四輪車生産への影響についての株主からの質問に、部品が計画通りに調達できない状況だが、仕様変更や生産車種の調整などを進め、「生産を1台でも増やす取り組みを続けている」と述べた。

本田治技監は総会で、社長を先頭に調達・生産・販売・技術など各部門の役員や本部長からなるチームを組み、1台でも多く生産できるよう半導体の入手に向けて日々取り組んでいると説明。取引先における半導体不足にも協力して対応にあたっているとした。

チームによる取り組みが奏功した例として、本田氏は「7月分の生産計画については6月初めには70%台半ばの確保にとどまっていたが、現在80%前後の生産確保まで来ている」と明らかにした。

国内営業担当の鈴木敏明専務役員によると、国内の状況については「4月─6月の生産は計画に対して約80%、販売は89%になる見込み」。

海外営業担当の齊藤欽司専務役員は、日本で生産する海外向け小型車「スイフト」など4車種に関して、4月─6月の生産は「半導体不足の影響で計画比で約55%ぐらいの減産になっている」と語った。

齊藤氏はまた、ハンガリー工場での4月─6月の生産は「計画の80%ぐらいになる見込み」で、3月に発生したスエズ運河でのコンテナ船座礁事故でコンテナが世界中で動かなくなったことが生産遅延の主な要因と説明。「7月以降も、世界各地の生産拠点で半導体不足の影響がだんだん出てくることが予想されている」と話した。

<鈴木修会長が退任、相談役に>

スズキの経営を社長・会長として43年にわたって担い、取締役としては58年間務めてきた鈴木修氏(91)がこの日の株主総会をもって退任し、相談役となった。

鈴木氏は総会後、「数多くの失敗をしでかした。しかし、失敗から多くを学び、成長することができた」と振り返り、株主や取引先に感謝の意を示した。「メーカーは作っておしまいではない。作って売って、なんぼだ」とも話し、販売店や顧客に対しても「感謝」の言葉を繰り返し、最後のあいさつとした。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米金利先物、9月利下げ確率60%に小幅上昇 PCE

ビジネス

ドル34年ぶり157円台へ上昇、日銀の現状維持や米

ワールド

米中外相会談、ロシア支援に米懸念表明 マイナス要因

ビジネス

米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比+2
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中