ニュース速報

ビジネス

東芝の取締役会、UBSを財務アドバイザーに任命へ=関係筋

2021年05月12日(水)08時05分

東芝の取締役会は、投資ファンドによる潜在的な買収提案に直面する中、戦略の見直しを図るため、UBSを財務アドバイザーに任命する予定だ。複数の関係筋が明らかにした。写真は2017年、千葉で撮影(2021年 ロイター/Toru Hanai/File Photo)

[東京 11日 ロイター] - 東芝の取締役会は、投資ファンドが同社を巡り買収合戦を繰り広げる可能性がある中、戦略の見直しを図るため、UBSを財務アドバイザーに任命する予定だ。複数の関係筋が明らかにした。

日本のUBSの広報担当者から、コメントは得られていない。東芝はUBSの任命についてはコメントを控えたが、ロイターへの声明で、アドバイザーの起用は意思決定の透明性向上に資すると指摘。同社取締役会は独立した立場で財務・法務アドバイザーを選定しており、企業価値を向上させる方法について、独自の立場で戦略的検討を行うとした。

英CVCキャピタル・パートナーズは先月、東芝に買収提案を行ったものの、東芝はCVCの初期提案を「評価不可能」と判断。CVC側も買収に向けた検討を中断した。その後、ベインキャピタルやKKRなど複数の投資ファンドが東芝への買収提案を検討していることが、関係者らの話で明らかとなった。

関係筋によると、複数の投資銀行がアドバイザーへの指名を求めて東芝の社外取締役に売り込みをかけてきた。

関係筋の1人は、UBSが東芝の株主とも協議する見通しだと明らかにした。アクティビスト(物言う株主)対策で東芝経営陣のアドバイザーを務めるゴールドマン・サックスとは、異なる役割を務めることになるという。

UBSのアドバイザーへの起用に関する発表は、早ければ14日の東芝の決算会見で行われる可能性があると述べた。

CVCの買収提案を受け、東芝の主要株主は同社に対し、他の潜在的な買収者が買収案を提示する機会を確保し、戦略的選択肢を再検討するよう求めてきた。

東芝の主要取引金融機関の1つの幹部は先月、複数のプライベートエクイティー(PE)会社から、東芝の非公開化に向けた資金調達の可能性について接触を受けたが、協議は進展していないと述べていた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国向け銅輸出加速へ 関税前に駆け込み=ゴールドマ

ビジネス

アングル:トランプ政権「投資誘致」の実態、バイデン

ワールド

リトアニアとフィンランド、対人地雷生産へ ウクライ

ビジネス

テマセク、運用資産が過去最高 米国リスクは峠越えた
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 5
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 6
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    自由都市・香港から抗議の声が消えた...入港した中国…
  • 9
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 10
    「けしからん」の応酬が参政党躍進の主因に? 既成…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 6
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中