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NY市場サマリー(7日)利上げ懸念後退でダウ最高値、ドル安・長期債利回り上昇

2021年05月08日(土)06時29分

[7日 ロイター] -

<為替> ドルが2カ月超ぶりの安値に沈んだ。4月の米雇用統計が予想を大幅に下回ったことを受け、景気回復に伴う金利上昇やドル高への期待感が後退した。

米労働省が7日発表した4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比26万6000人増と、市場予想の97万8000人増を大幅に下回る伸びとなった。労働力不足が要因となった可能性がある。

BKアセット・マネジメントのマネジングディレクター、ボリス・ショレスバーグ氏は「非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に逸脱したことを受け、金利上昇やインフレ圧力への市場期待は水泡に帰すだろう。FRBによる流動性拡大につながるのは明らかだ」と指摘。米金利が当面、超低水準に抑制されることを意味し、ドルへの圧力が続くだろうとした。

ドル指数は0.63%安の90.297。一時90.209と2月26日以来の安値を付けた。

ユーロ/ドルは0.75%高の1.21555ドル。ポンド/ドルは0.73%高の1.3993ドル。

OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「たった1回の統計だが、多くのトレーダーが景気回復を巡る見方を変え始めている」と述べた。

一方、中国の4月の輸出が予想に反して伸びが加速したことを受け、人民元やアジア株が上昇した。

人民元は対ドルで2カ月超ぶりの高値を付けた。週間では昨年9月以降で最長の値上がりとなる見込み。

MSCI新興国通貨指数は1741.34と最高値を付けた。人民元の上昇やドル安を受けた。

カナダドルは対米ドルでほぼ横ばいの1.21505カナダドル。カナダ統計局が7日発表した4月の雇用統計は、雇用者数が約20万7100人減と、市場予想の17万5000人減を上回る落ち込みとなった。

一方、カナダドル以外のコモディティー通貨は上昇。豪ドルは0.72%高の0.7841米ドル。鉄鉱石価格の上昇が支援している。

暗号資産(仮想通貨)ではイーサが1.35%高の3537.29ドル。前日には最高値を付けていた。ビットコインは2.98%高の5万8128.86ドル。ドージコインは4.49%高の0.6107ドル。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 長期債利回りが上昇した。4月の米雇用統計が市場予想を大幅に下回ったことを受け一時2カ月ぶりの低水準を付けたものの、米経済が力強く回復するとの見方は崩れず、切り返した。

指標10年債利回りは一時1.469%と3月4日以来の低水準を付けた。終盤は1.6ベーシスポイント(bp)上昇の1.5771%となった。

30年債利回りも一時2.158%と3月1日以来の低水準となったが、終盤は4.4bp上昇の2.28%。

米労働省が7日発表した4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比26万6000人増と、市場予想の97万8000人増を大幅に下回る伸びとなった。労働力不足が要因となった可能性がある。

アナリストによると、利回り低下は「反射的な反応」で市場が雇用統計を消化するにつれ、その反応が次第に弱まったという。

スターリング・キャピタル・マネジメントのシニア金利アナリスト、アンドリュー・リッチマン氏は米雇用統計について「市場予想を大幅に下回ったが、過去の指標であり、雇用は引き続き正しい方向に向かっている」と述べた。

オックスフォード・エコノミクスのリードアナリスト、ジョン・カナバン氏は、今回の雇用統計は米連邦準備理事会(FRB)が現行の方針を長期的に維持することができるという見方を補強するものであり、その結果、中期債利回りが長期債利回りをアウトパフォームし、5年債と30年債の利回り差が拡大したと指摘。「市場参加者がイールドカーブ(利回り曲線)をスティープ化させる取引を行っていることが長期債への売りにつながっている」と述べた。

5年債と30年債の利回り差は終盤で6.87bp拡大の150.60bp。

米金利先物市場では雇用統計を受けFRBの利上げ予想時期が約3カ月先送りされた。

ユーロ/ドル先物市場が織り込む2023年3月時点の利上げ確率は90%。また23年6月時点の利上げを完全に織り込んでいる。雇用統計の発表前は22年12月時点の利上げ確率が90%で、23年3月時点の利上げを完全に織り込んでいた。

5年物TIPSと通常国債の利回り差であるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は一時2.586%と前日終盤の2.661%から低下。終盤は2.678%。5日には2.696%と10年ぶりの高水準を付けていた。

10年物の物価連動国債(TIPS)利回りも2.411%まで低下した後に切り返した。終盤は2.503%と2013年4月以来の高水準となった。

2年債利回りは1bp低下の0.1468%。

2年債と10年債の利回り差は約2bp拡大し143.20bpだった。

来週は11日に3年債(580億ドル)、12日に10年債(410億ドル)、13日に30年債(270億ドル)の入札が予定されている。 

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> ダウ工業株30種とS&P総合500種が終値で最高値を更新した。大型グロース(成長)株が主導し、ナスダック総合も上昇した。朝方発表された米雇用統計が期待外れの内容となったことで、インフレ高進や利上げの可能性を巡る懸念が後退した。

4月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比26万6000人増と、市場予想の97万8000人増を大幅に下回る伸びとなった。労働力不足が要因となった可能性がある。

グローバルト・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、トム・マーティン氏は、雇用統計を受けて「緩慢なペースでの回復局面でリスクが低いとされるグロース株の買いが膨らんだ」と指摘した。

週足ではダウが2.7%高と、3月以来の大幅な伸びを記録。S&Pも1.2%高で、4月半ば以来の好成績となった。ナスダックは1.5%下落した。

大型グロース株のマイクロソフトは1.1%高、アップルは0.5%高。

S&Pの主要セクターも全てプラス圏で取引を終了。とりわけエネルギー、不動産、素材の上昇が目立った。

電子決済大手スクエアは4.2%高。第1・四半期決算は、利益が市場予想を大きく上回った。ビットコインの需要が高まり、決済アプリ「キャッシュ・アップ」での暗号資産(仮想通貨)取引を押し上げた。

動画配信機器のロク(Roku)も11.5%上昇。売上高見通しが好感された。

オンライン旅行代理店エクスペディア・グループは5.2%高。好決算を受け、証券会社が目標株価を引き上げた。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.27対1の比率で上回った。ナスダックでは2.12対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は102億3000万株。直近20営業日の平均は101億1000万株。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 市場予想を大きく下回った米雇用統計やドル安などを背景に買われ、3日続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比15.60ドル(0.86%)高の1オンス=1831.30ドル。週間では63.60ドル(3.60%)高となった。

朝方は1820ドル近辺で小動きだった。4月の雇用統計が発表され、非農業部門就業者数が前月比26万6000人増と市場予想を大きく下回り、失業率も6.1%と0.1ポイント悪化したことが伝わると、買いが膨らみ、一時2月11日以来の高値となる1844.60ドルまで上昇。対ユーロでのドル安進行もドル建て資産としての割安感からの買いを促した。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ドル安に伴う割安感を受けた買いが入り、3日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.19ドル(0.29%)高の1バレル=64.90ドル。週間では1.32ドル(2.08%)上昇した。7月物は0.21ドル高の64.88ドル。

4月の米雇用統計は、失業率が6.1%と前月から0.1ポイント悪化。非農業部門の就業者数は前月比26万6000人増と、市場予想の97万8000人増を大きく下回った。外国為替市場では、雇用回復ペースの鈍化を背景を受けてドルが対ユーロで下落。ドル建ての商品としての原油は割安感から買われた。米株が取引時間中の史上最高値を更新したことも、株式と並んでリスク資産とされる原油の支援要因となった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

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