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中国の2020年経常黒字は3100億ドル、ドイツ抜き世界最大に=IFO
[ベルリン 22日 ロイター] - ドイツのIFO経済研究所によると、中国の2020年の経常黒字は3100億ドルと、前年の2倍以上に拡大し、ドイツを抜いて世界最大となった。新型コロナウイルスの世界的大流行がもたらした貿易構造の変化が浮き彫りになった。
ドイツの経常黒字は5年連続で縮小し、2610億ドルと、世界で2番目の大きさ。経常収支は海外とのモノやサービス、投資の流れを測る指標。
コロナ危機で医療用防護具や電子機器の需要が増加し、中国の輸出を押し上げた一方で、ドイツ製の自動車や機械器具への需要が主要な輸出市場で低迷した。
日本の経常黒字は1580億ドルで、世界で3番目に大きかった。
ただ、ドイツの経常黒字の対国内総生産(GDP)比は6.9%と、2019年の7.1%から若干低下したものの高水準を維持。同比率は2015年に過去最高の8.6%を記録している。
中国の経常黒字のGDP比は2.1%、日本は3.2%と、ドイツを大きく下回っている。
米国の経常収支は赤字額が約30%拡大し6350億ドル(GDP比3.1%)と、引き続き世界最大の赤字を抱えている。トランプ前大統領の自国産業を最優先する「米国第一」主義は貿易赤字の縮小にはつながらなかったようだ。
IFOのエコノミスト、クリスチャン・グリム氏は、新型コロナに絡む旅行や観光の制限で、従来は高水準にあったドイツのサービス貿易の赤字は過去最低に縮小したと指摘した。
*内容を追加しました。