ニュース速報

ビジネス

米経済活動の伸び控えめ、コロナ封鎖強化で雇用減少=連銀報告

2021年01月14日(木)06時45分

米連邦準備理事会(FRB)は13日に公表した地区連銀経済報告で、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための都市封鎖措置が強化される中、雇用は減少しており、経済活動は過去数週間で控えめな伸びにとどまったという認識を示した。ワシントンのFRB本部で2019年3月撮影(2020年 ロイター/Leah Millis)

[13日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は13日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための都市封鎖(ロックダウン)措置が強化される中、雇用は減少しており、経済活動は過去数週間で控えめな伸びにとどまったという認識を示した。

有効な新型コロナワクチンの接種が始まったことによる楽観的な見方は、新型コロナ感染の増加により後退している。パンデミック(世界的大流行)の影響が地区や産業によってまちまちであることがベージュブックによって明らかになった。

ベージュブックは楽観的な見方の要因として、新型コロナワクチンの接種開始に繰り返し言及。その数は10回に及び、12月上旬に公表された前回のベージュブックから倍増している。

一方、「新型コロナワクチンが開発される可能性により、企業の2021年の前向きな見方が強まったが、最近見られる感染再拡大や短期的な企業への影響に対する懸念が楽観的な見方を抑制している」とした。

昨年5月以来初めて、一部の地区で経済活動が明白に減少した。

大半の地区の調査先が経済活動の伸びを報告したものの、ニューヨーク地区とフィラデルフィア地区は活動が弱まった。クリーブランド地区は、感染増加により勢いが鈍化したと報告。セントルイス地区とカンザスシティー地区はほぼ変わらなかった。

大半の地区は雇用が増えたと報告したが、ペースは遅かった。前回報告から「雇用水準が減ったと報告する地区が増えた」という内容が不安材料だ。

製造業と建設業、輸送業は引き続き雇用が伸びたが、ベージュブックによると「娯楽・接客業の調査先は、封鎖措置の強化により改めて雇用を減らしたと報告した」。

米国で新型コロナ感染が急増する中、20年12月の米雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門の新規就業者数が前月より14万人減り、8カ月ぶりのマイナス。経済回復が勢いを失っていることを示唆した。

消費者向け事業にとって厳しい環境が続く中、一部の企業は新型コロナ体制に急速に順応していることがベージュブックから分かった。

例えばボストン地区では、ある衣料小売り店で客足が前年から30%減った一方、オンラインの売り上げやその他の要因により11月の売上高は前年同月比で約5%増えた。

ベージュブックは「この小売店は2020年を通して売り上げがやや伸びた。店舗の運営費用が減ったことや、ここ数年と比べ宣伝費が少なかったことで利益が増えた」とした。

アナリストやFRB当局者は、新型コロナワクチンや政府による新たな支援策により21年下半期に経済が持ち直す可能性があると指摘する。

昨年12月末に議会で可決された9000億ドル規模の支援策は米経済を春まで下支えできる見込みだ。また、バイデン次期政権が支援策を拡大するほか、新型コロナを抑制する対策を強化するとの見方が高まっている。

ワクチン配布は経済成長への期待に加え、すでに一部の経済活動を押し上げている兆しがある。シカゴ地区の報告によると、ワクチンには特定の低温貯蔵が必要であることから、一部のエタノール製造業者にとって「ドライアイス用の二酸化炭素などの副産物の需要が増えている」という。

FRBは、経済がより安定するまで、短期金利を低水準に据え置き、資産買い入れを維持すると繰り返し主張している。次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は1月26─27日に開催される。

今回の報告は1月4日までに全12地区で入手された情報に基づきサンフランシスコ地区連銀がまとめた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EXCLUSIVE-カタールLNG輸出17%停止、

ワールド

ネタニヤフ氏、ホルムズ海峡の代替ルート提唱 中東横

ワールド

訂正(19日配信記事)-米国家情報長官、中間選挙巡

ビジネス

アングル:イラン戦争によるガソリン価格高騰、EV販
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 5
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 6
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 9
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 10
    トランプ暴走の余波で加熱するW杯「ボイコット論」..…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中