ニュース速報

ビジネス

米株はS&P終値で最高値更新、ワクチンや経済対策に期待

2020年12月03日(木)07時45分

12月2日、 米国株式市場ではS&P総合500種が終値での最高値を更新する一方、ナスダック総合は小反落して取引を終えた。ニューヨーク証券取引所で11月撮影(2020年 ロイター/Brendan McDermid)

[2日 ロイター] - 米国株式市場ではS&P総合500種が終値での最高値を更新する一方、ナスダック総合は小反落して取引を終えた。新型コロナウイルスワクチンを巡るポジティブな動きや追加経済対策への期待の一方で、民間雇用統計がさえない内容となった。

英政府は2日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンの緊急使用を承認。来週から接種が始まる見通しとなった。

米議会の共和・民主両党は追加経済対策を巡り依然として合意できていないが、市場関係者の間では、景気の弱さを示すニュースで合意に向けた動きが加速するとの見方も出ている。

オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが発表した11月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数の伸びがエコノミスト予想を下回り、景気対策の必要性を浮き彫りにした。

米連邦準備理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)でも、12地区中4地区で経済成長が「ほとんど、もしくは全く見られなかった」との認識が示された。

ベアードの投資戦略アナリスト、ロス・メイフィールド氏は、4日発表の雇用統計で労働市場の悪化が示されれば、議会は経済対策で合意する必要に一段と迫られると指摘。「(議会は)投資家と同じくらい統計を注視している。悪いニュースで交渉が促されれば、良いニュースになる可能性がある」と語った。

バイデン次期米大統領はニューヨーク・タイムズ(NYT)のインタビューで、大規模な景気対策を議会で通過させることが最優先事項だと語った。トランプ政権が中国と締結した米中通商合意第1弾の破棄に直ちに動くことはないとも述べた。

S&P500の主要セクターでは金融やエネルギーが上昇する一方、主要消費財は下落。バリュー株への循環が続いた。

個別銘柄では、顧客管理ソフト大手のセールスフォース・ドットコムが9%近く下落。同社は前日、ビジネス対話アプリを手掛けるスラック・テクノロジーズを277億ドルで買収すると発表した。スラックは2%超下落。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.46対1の比率で上回った。ナスダックでは1.16対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は116億株。直近20営業日の平均は117億株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 29883.79 +59.87 +0.20 29695.09 29902.51 29599.29

前営業日終値 29823.92

ナスダック総合 12349.37 -5.74 -0.05 12285.75 12360.06 12217.35

前営業日終値 12355.11

S&P総合500種 3669.01 +6.56 +0.18 3653.78 3670.96 3644.84

前営業日終値 3662.45

ダウ輸送株20種 12546.54 +52.80 +0.42

ダウ公共株15種 874.66 +6.41 +0.74

フィラデルフィア半導体 2716.35 +6.62 +0.24

VIX指数 21.17 +0.40 +1.93

S&P一般消費財 1275.02 -8.95 -0.70

S&P素材 443.76 -6.20 -1.38

S&P工業 740.88 +0.86 +0.12

S&P主要消費財 687.22 -5.19 -0.75

S&P金融 474.66 +4.95 +1.05

S&P不動産 226.12 -2.56 -1.12

S&Pエネルギー 284.30 +8.68 +3.15

S&Pヘルスケア 1296.94 +10.33 +0.80

S&P通信サービス 221.75 +2.22 +1.01

S&P情報技術 2193.89 -4.77 -0.22

S&P公益事業 322.24 +2.14 +0.67

NYSE出来高 10.41億株

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 26830 - 10 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 26825 - 15 大阪比

*システムの都合で再送しました。

(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意

ワールド

国際刑事裁の決定、イスラエルの行動に影響せず=ネタ

ワールド

ロシア中銀、金利16%に据え置き インフレ率は年内
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中