ニュース速報

ビジネス

マイナス金利、現時点では不適切=ラムスデン英中銀副総裁

2020年10月22日(木)00時33分

イングランド銀行(英中央銀行)のラムスデン副総裁は21日、マイナス金利政策について、銀行の融資能力を損なうリスクがあるとし、現時点では正しい景気刺激策ではないとの考えを示した。2018年1月代表撮影(2020年 ロイター)

[ロンドン 21日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のラムスデン副総裁は21日、マイナス金利政策について、銀行の融資能力を損なうリスクがあるとし、現時点では正しい景気刺激策ではないとの考えを示した。

ラムスデン副総裁はエコノミスト協会の年次会合で「マイナス金利政策の利用に適切な時期はあるが、今はそうした時期ではない」とし、現時点では資産買い入れの方が需要喚起に効果があるとの考えを示した。

その上で「銀行システムを通して経済に影響が波及する可能性がある。こうした影響はマイナス金利政策がもたらす景気刺激効果を減退させるだけでなく、逆効果になる恐れがある」と指摘。英国の銀行システムはユーロ圏とは異なるため、ユーロ圏でプラスの効果があったとしてもそのまま英国に適用できないとの考えを示した。

このほか、特に若年層の失業増の兆候と、新型コロナウイルス感染拡大で経済が受ける長期的な損害を懸念しているとし、「失業が長期にわたり高止まりする現実的なリスクが存在しており、このところ見られている所得の力強い増加は持続できない公算がある」と述べた。

ロイターが実施したエコノミスト調査では、英中銀が来月、資産買い入れ枠を1000億ポンド拡大し、8450億ポンドにすると予想。ただマイナス金利政策については、来年まで導入されないとの見方が示された。

英中銀によるマイナス金利導入については、これまでに金融政策委員会のテンレイロ委員とブリハ委員が支持を表明。ラムスデン副総裁のほか、ハルデーン理事はそれほど積極的な姿勢を示していない。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:アマゾン熱帯雨林は生き残れるか、「人工干

ワールド

アングル:欧州最大のギャンブル市場イタリア、税収増

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 10
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中