ニュース速報

ビジネス

中国、消費支援と安全網拡充に焦点移す必要=IMF財政局長

2020年10月15日(木)00時33分

国際通貨基金(IMF)のビトール・ガスパール財政局長は14日、中国の新型コロナウイルス感染拡大に対応する財政刺激策について、焦点を財生産のための投資から消費支援と社会的安全網の拡充に移す必要があると述べた。北京で9月撮影(2020年 ロイター/TINGSHU WANG)

[ワシントン 14日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のビトール・ガスパール財政局長は14日、中国の新型コロナウイルス感染拡大に対応する財政刺激策について、焦点を財生産のための投資から消費支援と社会的安全網の拡充に移す必要があると述べた。

中国は対外不均衡の解消につながる、「国内ダイナミズム」に基づく新たな成長モデルに移行する必要があるとガスパール局長は指摘。「安全網の拡充が家計の支援になり、重要事項は投資から他に移行していく可能性がある」と述べた。

IMFが14日に公表した財政モニターによると、中国の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は2020年に5.6%ポイント上昇し、11.9%に達する見通し。これに対し、米国は12%ポイント上昇し、19%近辺になると予想されている。

IMFは中国が20年にプラス成長を確保する唯一の国になると予想しているが、ガスパール局長は、それでも中国の長期的な潜在成長力は新型ウイルス感染拡大の影響を免れないと指摘。金融安定に焦点を維持すると同時に、新型ウイルス感染症の治療薬やワクチンなどの面で他の国と協力することが重要だと述べた。

このほか、中国は貧困国の債務返済猶予を支援し、債務の透明性を確保する必要があると指摘。通商問題に「建設的に」対応し、気候変動に関する重要問題での合意を推し進める必要があるとの考えを示した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米CPI、4月は前年比3.4%上昇に鈍化 利下げ期

ビジネス

米小売売上高4月は前月比横ばい、ガソリン高騰で他支

ワールド

スロバキア首相銃撃され「生命の危機」、犯人拘束 動

ビジネス

米金利、現行水準に「もう少し長く」維持する必要=ミ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 3

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 4

    それでもインドは中国に勝てない...国内企業の投資意…

  • 5

    マーク・ザッカーバーグ氏インタビュー「なぜAIを無…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    奇跡の成長に取り残された、韓国「貧困高齢者」の苦悩

  • 9

    総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長…

  • 10

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中