ニュース速報

ビジネス

中国PPI、7月は低下和らぐ CPIは食品が押し上げ

2020年08月10日(月)14時12分

 中国国家統計局が発表した7月の生産者物価指数(PPI)は、国際石油価格の上昇を受けて低下率が鈍化した。企業活動が新型コロナウイルス危機前の水準に回復しつつあり、景気回復の兆しがみられる。写真は中国の工場。北京で5月撮影(2020年 ロイター/Thomas Peter)

[北京 10日 ロイター] - 中国国家統計局が発表した7月の生産者物価指数(PPI)は、国際石油価格の上昇を受けて低下率が鈍化した。企業活動が新型コロナウイルス危機前の水準に回復しつつあり、景気回復の兆しがみられる。

7月のPPIは前年比2.4%低下。6月(3.0%低下)から低下幅が縮小した。ロイターが集計したアナリスト予想は2.5%低下だった。

アナリストは、政府の支援策や、蓄積された需要が輸出を押しあげ、鉱工業生産はコロナ危機前の水準へと順調に回復していると指摘する。

国家統計局の当局者によると、国際原油価格の上昇を背景に石油・天然ガス留出価格が前月比で12%上昇したほか、石炭掘削や自動車の製造価格も上昇した。

キャピタル・エコノミクスのシニアエコノミスト、ジュリアン・エバンズ・プリチャード氏は「さらなる財政刺激策で今後数カ月間インフラ支出が拡大し、経済活動や生産者価格の一段の回復を支援する」との見方を示した。

ただPPIは前月比で0.4%上昇と6月と変わらず。南部で記録的豪雨により建設作業や生産が停止した。

一部エコノミストは、個人が消費に慎重なことや、各国でコロナ感染拡大が再び深刻になっていることから、回復がとん挫する可能性もあるとみている。

<消費者物価は食品が押し上げ>

消費者物価は、天候不良による食品の値上がりで3カ月ぶりの高い伸びとなった。

消費者物価指数(CPI)は前年比2.7%上昇。6月は2.5%上昇、アナリスト予想は2.6%上昇だった。

食品CPIは前年比13.2%上昇、豚肉価格は85.7%上昇した。非食品CPIは前年比変わらずだった。

食品とエネルギーを除いたコアインフレ率は前年比0.5%の上昇にとどまった。

上海証券のチーフマクロアナリスト、Hu Yuexiao氏は「予想を上回る上昇を受け、金融当局は政策正常化の姿勢を強めるだろう」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏、2日にアイルランド訪問 経済フォー

ビジネス

村田製、MLCC依存の引き下げ「十分進捗せず」=社

ビジネス

アングル:日銀総裁、12月利上げへシグナル 低金利

ビジネス

ビットコイン5%安、9万ドル割れ 投資家のリスク回
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業界を様変わりさせたのは生成AIブームの大波
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税…
  • 7
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 8
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 9
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 10
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中