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中国の7月輸出は7カ月ぶり高い伸び、素材輸入堅調 持続的回復の兆し
中国の7月の貿易統計は、輸出が今年最大の伸びとなり、一部素材の輸入も過去最高を記録するなど、持続的景気回復に向け一段と勢いを増していることを示した。写真は深センの港。5月撮影(2020年 ロイター/Martin Pollard)
[北京 7日 ロイター] - 中国の7月の貿易統計は、輸出が今年最大の伸びとなり、一部素材の輸入も過去最高を記録するなど、持続的景気回復に向け一段と勢いを増していることを示した。
税関総署の発表によると、輸出は前年比7.2%増加し7カ月ぶりの大幅な伸びとなった。輸入は同1.4%減少。ロイターが集計したアナリストの予想は、輸出が0.2%減、輸入が1.0%増だった。6月は輸出が0.5%増加、輸入は2.7%増加だった。
7月の貿易収支は623億3000万ドルの黒字。アナリスト予想は420億ドルの黒字、6月は464億2000万ドルの黒字だった。
7月の対米貿易黒字は、税関総署のデータに基づくロイターの計算で324億6000万ドルで6月の294億1000万ドルから拡大した。1─7月の対米貿易黒字は、1535億8000万ドルだった。
7月の米国からの輸入は前年比3.6%増で、6月の11.3%増から鈍化。1-7月は3.5%減で、第一段階の米中合意での輸入拡大の確約を達成できなかった。
マスクなどを含む繊維製品の輸出は、1-7月は前年比31.3%増となり、1ー6月の27.8%増から加速。医療用製品も同様に41.4%増から47.3%増に加速した。
エレクトロニクスや携帯電話などの輸出は増加、家具や玩具類の減少も鈍化しており、世界的な需要が安定しつつある兆しを示した。
アナリストは前年比での輸入減少について、コモディティー価格の下落と前年の輸入が高水準だったためとの見方を示した。今後は政策に支援されたインフラプロジェクトが輸入を押し上げるとみられている。前月比での輸入は4.9%増。
キャピタルエコノミクスの中国エコノミスト、マーティン・ラスムセン氏は「信用の伸びは依然加速しており、景気対策主導の回復は今後数カ月続くようだ」と述べた。
産業用素材の輸入は引き続き堅調。原油輸入が急増したほか、鉄鉱石と銅は過去最高となった。
オックスフォード・エコノミクスのアジア経済リサーチ担当、ルイ・クイジス氏はリポートで「当社の予想に沿った内容だった。下半期の輸出は、世界経済とともに力強く回復する見通しだ」と指摘。「ただ、浮き沈みはあるかもしれない。新規輸出受注は依然として低迷しており、国によって回復ペースは異なる」と述べた。
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