ニュース速報

ビジネス

中国の7月輸出は7カ月ぶり高い伸び、素材輸入堅調 持続的回復の兆し

2020年08月07日(金)17時34分

 中国の7月の貿易統計は、輸出が今年最大の伸びとなり、一部素材の輸入も過去最高を記録するなど、持続的景気回復に向け一段と勢いを増していることを示した。写真は深センの港。5月撮影(2020年 ロイター/Martin Pollard)

[北京 7日 ロイター] - 中国の7月の貿易統計は、輸出が今年最大の伸びとなり、一部素材の輸入も過去最高を記録するなど、持続的景気回復に向け一段と勢いを増していることを示した。

税関総署の発表によると、輸出は前年比7.2%増加し7カ月ぶりの大幅な伸びとなった。輸入は同1.4%減少。ロイターが集計したアナリストの予想は、輸出が0.2%減、輸入が1.0%増だった。6月は輸出が0.5%増加、輸入は2.7%増加だった。

7月の貿易収支は623億3000万ドルの黒字。アナリスト予想は420億ドルの黒字、6月は464億2000万ドルの黒字だった。

7月の対米貿易黒字は、税関総署のデータに基づくロイターの計算で324億6000万ドルで6月の294億1000万ドルから拡大した。1─7月の対米貿易黒字は、1535億8000万ドルだった。

7月の米国からの輸入は前年比3.6%増で、6月の11.3%増から鈍化。1-7月は3.5%減で、第一段階の米中合意での輸入拡大の確約を達成できなかった。

マスクなどを含む繊維製品の輸出は、1-7月は前年比31.3%増となり、1ー6月の27.8%増から加速。医療用製品も同様に41.4%増から47.3%増に加速した。

エレクトロニクスや携帯電話などの輸出は増加、家具や玩具類の減少も鈍化しており、世界的な需要が安定しつつある兆しを示した。

アナリストは前年比での輸入減少について、コモディティー価格の下落と前年の輸入が高水準だったためとの見方を示した。今後は政策に支援されたインフラプロジェクトが輸入を押し上げるとみられている。前月比での輸入は4.9%増。

キャピタルエコノミクスの中国エコノミスト、マーティン・ラスムセン氏は「信用の伸びは依然加速しており、景気対策主導の回復は今後数カ月続くようだ」と述べた。

産業用素材の輸入は引き続き堅調。原油輸入が急増したほか、鉄鉱石と銅は過去最高となった。

オックスフォード・エコノミクスのアジア経済リサーチ担当、ルイ・クイジス氏はリポートで「当社の予想に沿った内容だった。下半期の輸出は、世界経済とともに力強く回復する見通しだ」と指摘。「ただ、浮き沈みはあるかもしれない。新規輸出受注は依然として低迷しており、国によって回復ペースは異なる」と述べた。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国大豆輸入、11月は3カ月連続で米国産ゼロ 南米

ワールド

米英首脳、ウクライナ和平巡り協議 「有志国連合」の

ワールド

米政権、薬価引き下げでさらに9社と合意 17社中1

ビジネス

日経平均は続伸で寄り付く、円安や米国株高で 5万円
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 7
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 8
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中