ニュース速報

ビジネス

米雇用、6月は480万人増と過去最多 失業率11.1%に改善

2020年07月03日(金)03時14分

 7月2日、米労働省が発表した6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から480万人増となり、1939年の統計開始以降で最多となった。写真は失業保険申請のため、開所前の就職支援センターに並ぶ人々。6月18日、ケンタッキー州フランクフォートで撮影(2020年 ロイター/Bryan Woolston)

[ワシントン 2日 ロイター] - 米労働省が2日発表した6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から480万人増となり、1939年の統計開始以降で最多となった。国内でレストランやバーの営業再開が広がり、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による景気後退底打ちの兆しを示したものの、企業のレイオフは継続し、複数州で再拡大する新型コロナ感染が景気回復を脅かす可能性がある。

6月の失業率は11.1%と、5月の13.3%から改善した。

今回の統計には、6月にカリフォルニアやフロリダ、テキサス州などで始まった新型コロナ感染者数急増の影響は含まれていない。

MUFG(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「6月は嵐の前の静けさかもしれない。コロナ禍で職を失った人は何千万人にも達しており、そうした大勢の人を再雇用に導くほど労働市場の回復が進むかどうか定かでない」と語った。

専門家らは、政府が導入した中小企業支援制度(給与保障プログラム、PPP)が雇用の一定の押し上げに寄与する一方、これまで都市封鎖(ロックダウン)の影響をあまり受けなかった企業の間でも需要低迷のあおりから従業員をレイオフ(一時帰休)する動きが広がっていると指摘した。

ロイターのエコノミスト調査では雇用者数は300万人増と予想されていた。5月の雇用者数は269万9000人増だった。

トランプ大統領は6月の雇用統計が好調だったことを受け、多岐にわたる分野で雇用増が見られ「歴史的な数値」だったとし、「米経済は勢いよく回復している」と表明した。

ただ、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は今週の議会証言で「今後の経済の道筋は著しく不確実となっており、主にウイルス制御の成功にかかっている」と警告している。

雇用は6月に幅広い分野で拡大し、小売、製造、建設、教育などが堅調に増加した。政府部門も小幅増加した。レストランやバー、ジム、歯科医院などの営業再開に伴い、一時解雇されていた従業員が職場に復帰したことが雇用の伸びにつながった。

レジャー・接客業では210万人増。全体の増加数の約5分の2を占めた。

しかし、従業員の職場復帰に伴い、時間当たり平均賃金は前月比1.2%低下。平均週間労働時間も前月の34.7時間から34.5時間に縮小した。

雇用統計を巡っては、コロナ禍で発生した「雇用されているが休職中」の人の扱いが依然かく乱要因となっている。労働省によると、こうした問題がない場合、6月の失業率は12.1%とした。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米・ロ・ウクライナ、17日にスイスで和平協議

ワールド

米中外相、ミュンヘンで会談 トランプ氏の訪中控え

ビジネス

EU貿易黒字が縮小、米関税と中国の攻勢が響く

ビジネス

欧州証券市場監督機構、資産運用大手を監督すべき=E
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベルの「若見え」な女性の写真にSNS震撼
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 7
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 8
    「ショックすぎる...」眉毛サロンで「衝撃的な大失敗…
  • 9
    毛沢東への回帰? それとも進化? 終身支配へ突き…
  • 10
    「ドルも弱い」なのになぜ、円安が進む? 「ドル以外…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中