ニュース速報

ビジネス

NY市場サマリー(3日)ドル下落、米株続伸

2020年06月04日(木)06時58分

[3日 ロイター] - <為替> 新型コロナウイルスの流行に伴う景気の落ち込みが最悪期を脱したとの期待からリスクオン相場が継続し、ドルは主要通貨に対して11週ぶりの安値を付けた。

ウェルズ・ファーゴは調査リポートで「相場の勢いは継続中」とした上で「ドルの値下がりは魅力的な買い機会と捉えられるものの、短期的に一段と下落する可能性もある」と述べた。

ドルは通貨バスケット<=USD>に対し0.32%安の97.26。一時97.18と3月12日以来の安値を付けた。

ドル/円は0.22%高の108.90円。一時108.98円と4月9日以来の高値。

豪ドルはリスク選好の改善で堅調地合いが継続。一時1月3日以来の高値となる0.6983ドルを付けた。その後は0.49%高の0.6928ドル。

ユーロ/ドルは0.65%高の1.1242ドル。4日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、新型コロナ対策であるパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模拡大が決定される見込み。

<債券> この日発表された指標で雇用の落ち込みの緩和が示されたことを受け、安全資産からリスク資産に資金がシフトし、国債利回りが上昇した。

終盤の取引で10年債利回りは8.6ベーシスポイント(bp)上昇の0.7656%と、4月以来の高水準となった。2年債利回りは3.2bp上昇の0.1998%。

2年債と10年債の利回り格差は56bpと、前日から約4bp拡大し、3月以来の高水準となった。

エバーコアISIの調査アナリストは、市場では米経済は比較的早期に回復するとの期待が出ているとし、中西部ミネソタ州で発生した白人警官の暴行による黒人男性死亡事件を受け、全国的に広まった抗議活動も暴力的な様相は収まりつつあると指摘。「世界が終わるわけではないとの見方が市場で出ている」と述べた。

<株式> 続伸。ダウ平均株価<.DJI>は527ドル値上がりしたほか、ナスダック総合指数<.IXIC>も過去最高値に迫った。全米で激化する抗議デモや新型コロナウイルス流行を巡る警戒感は漂うものの、景気回復期待が相場を押し上げた。 投資家は週末に発表される5月の雇用統計に注目している。

金融株や工業株、ハイテク株などが買われた。S&P総合500種指数<.SPX>とナスダック指数は4日続伸。ナスダックは2月に付けた最高値まで1.4%に迫った。S&P500は最高値まで7.8%、ダウ平均は11.1%。

個別銘柄では、航空機大手ボーイングが12.9%高。著名投資家のダニエル・ローブ氏率いるヘッジファンドのサード・ポイントが同社株を取得したことを発表。

配車サービス大手リフトは8.7%高。5月の利用者は前月比26%増加した。新型コロナ感染拡大に伴う行動規制を段階的に緩和している都市を中心に需要が伸びた。

ビデオ会議サービスのズーム・ビデオ・コミュニケーションズは7.6%高。年間売上高の見通しをほぼ2倍に引き上げた。新型コロナの感染拡大を受けたロックダウン(封鎖)措置で在宅勤務をする人や友人とオンラインでつながる人が増える中、ユーザーが急増しているという。

<金先物> 新型コロナ感染拡大で打撃を受けた景気が回復に向かうことへの期待感を背景に続落。中心限月8月物の清算値は前日比29.20ドル(1.68%)安の1オ ンス=1704.80ドル。一時1700ドルを割り込む場面も。

<米原油先物> 主要産油国による減産継続への期待から続伸。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値は前日比0.48ドル(1.30%)高の1バレル=37.29ドルとなった。時間外取引では一時38.18ドルまで上昇。3月6日以来約3カ月ぶりの高値となった。8月物は0.53ドル高の37.59ドルだった。

週内に開かれるとみられているサウジアラビアやロシアなど主要産油国による石油輸出国機構(OPEC)プラスが、新型コロナ感染拡大による石油需要の落ち込みに対応する大幅な協調減産を継続するとの期待から、時間外に大きく上昇した。ただ朝方、米メディアが週内の会合開催を見送る可能性を報道。減産継続に向けた交渉が難航しているとの懸念が強まり、先物価格は急落。その後買い戻す動きも出たが、「減産延長の時期や規模をめぐっては不透明感が残る」(米エコノミスト)との声があった。

同日、米エネルギー情報局が発表した週報では、原油在庫の減少は続いているものの、ガソリン在庫が市場予想を超える増加となった。市場では、経済活動再開に伴う需要回復が緩やかになるとの懸念が広がった。

ドル/円 NY終値 108.89/108.91

始値 108.71

高値 108.98

安値 108.49

ユーロ/ドル NY終値 1.1232/1.1236

始値 1.1198

高値 1.1256

安値 1.1185

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 93*07.00 1.5332%

前営業日終値 94*15.00 1.4790%

10年債(指標銘柄) 17時05分 98*27.00 0.7458%

前営業日終値 99*15.00 0.6800%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*14.00 0.3639%

前営業日終値 99*21.00 0.3190%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.75 0.1919%

前営業日終値 99*29.25 0.1680%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 26269.89 +527.24 +2.05 <.DJI>

前営業日終値 25742.65

ナスダック総合 9682.91 +74.54 +0.78 <.IXIC>

前営業日終値 9608.38

S&P総合500種 3122.87 +42.05 +1.36 <.SPX>

前営業日終値 3080.82

COMEX金 8月限 1704.8 ‐29.2 <0#GC:>

前営業日終値 1734.0

COMEX銀 7月限 1795.8 ‐30.2 <0#SI:>

前営業日終値 1826.0

北海ブレント 8月限 39.79 +0.22 <0#LCO:>

前営業日終値 39.57

米WTI先物 7月限 37.29 +0.48 <0#CL:>

前営業日終値 36.81

CRB商品指数 135.0094 +0.8942 <.TRCCRB>

前営業日終値 134.1152

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

IMF委、共同声明出せず 中東・ウクライナ巡り見解

ビジネス

NY外為市場=円・スイスフラン上げ幅縮小、イランが

ビジネス

米P&G、通期コア利益見通し上方修正 堅調な需要や

ワールド

男が焼身自殺か、NY裁判所前 トランプ氏は標的でな
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中