ニュース速報

ビジネス

金融面の不平等性は世界経済のリスク、迅速な対処必要=IMF

2020年01月18日(土)07時17分

[ワシントン 17日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は17日、新たな調査で示された各国における金融サービスの不平等性が将来的な金融危機につながりかねず、金融セクターは迅速に対処する必要があると述べた。

IMFはこの日公表した調査報告で、低所得者層や女性、中小企業への金融サービスの拡大が共生社会の構築に寄与する可能性がある一方、金融セクターでの複雑性の増大は多くの場合、富裕層の利益になると指摘した。

専務理事はピーターソン国際経済研究所でのイベントで、「われわれの新たな調査では金融危機前に不平等性が高まる傾向があり、不平等性と金融安定性に強い関係性があることが示された」と指摘。中小企業や女性主導の企業に対する融資を促進することによって、耐性が強化され、将来的な危機の備えになるとし、「ともに行動を起こせば、1920年代の過ちを2020年代に繰り返すことを避けることができる」とした。

また今回の調査結果を金融セクターの安定性に関する評価や調査に活用し、金融リテラシーの低い層に対する教育強化に注力すると強調。高い融資基準と適切な監督を維持することが重要である一方、拡大している富裕層と貧困層との格差是正に向けた取り組みも必要と語った。

さらに、1920年代とは異なり、気候変動が不平等性を助長する大きな要因になっていると分析。世界銀行は現行の政策を変更しなければ、極貧困層の人口が2030年までに1億人に上ると予測しているとした。

気候変動を巡って、IMFは昨年11月に気候変動リスクを反映したストレステストの開発を各国中銀に要請。専務理事は年内に気候変動に関する評価手段をストレステストに組み込むことを模索すると述べた。

また、不平等性の拡大に対処するために政府は引き続き財政政策を活用し、不平等拡大によって生じ得るポピュリズム(大衆迎合主義)や政治的な混乱を回避すべきと主張。ただ、金融セクターも重要な役割を担っているとした。

IMFの調査によると、金融面で平等な国と不平等な国との国内総生産(GDP)成長率の差は長期的には2─3%ポイントに達するという。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、イランとの協議順調 紛争費用負担でアラブ諸国に

ワールド

米、ベネズエラ大使館を再開 外交関係の再構築が進展

ビジネス

ECB、「インフレ期待が漂流」なら迅速に対応=ギリ

ワールド

トルコ領空にイラン発射の弾道ミサイル、NATO迎撃
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思われるドローンの攻撃を受け大炎上
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 6
    アリサ・リュウの自由、アイリーン・グーの重圧
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 9
    【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に…
  • 10
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 4
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 5
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 6
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 7
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 8
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 9
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 10
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中