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ECB専務理事候補シュナーベル氏、緩和策批判はユーロの脅威と警告
欧州中央銀行(ECB)専務理事就任が確実視されているドイツのエコノミスト、イザベル・シュナーベル氏は20日、ドイツのエコノミストに対し、ECBの政策に対する批判は単一通貨ユーロに対する脅威になるとし、批判を和らげるよう呼び掛けた。フランクフルトのECB本部で7月撮影(2019年 ロイター/Ralph Orlowski)
[フランクフルト 20日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)専務理事就任が確実視されているドイツのエコノミスト、イザベル・シュナーベル氏は20日、ドイツのエコノミストに対し、ECBの政策に対する批判は単一通貨ユーロに対する脅威になるとし、批判を和らげるよう呼び掛けた。
シュナーベル氏は「ドイツのエコノミストが欧州のために何ができるか考えているとすれば、ECBの金融政策に関する有害で誤った考えの解消に向け、役割を果たしてほしい」とツイッターに投稿。政界のほかメディアで流布しているこうした考えは「何よりも単一通貨ユーロに対する脅威となる」とした。
ドイツでは、ECBが実施している超低金利政策で国内の預金者が圧迫され、ECBの政策は経済的に余裕のあるユーロ圏北部の国から南部の国に富を再分配しているに過ぎないとの批判が一部で出ている。
こうした中、ECBは9月12日の理事会でマイナス金利の深掘りや資産買い入れ再開などを含む包括的な緩和策を決定。その翌日にドイツの日刊大衆紙ビルトは、牙を生やし吸血鬼の格好をしたドラギ前ECB総裁の合成写真を紙面に掲載し、ドラキュラ伯爵ならぬ「ドラギラ伯爵」がドイツの預金者の口座を「吸い尽くそうとしている」と、ECBの緩和策を批判した。
シュナーベル氏は、根拠がしっかりとした批判や警告は必要としながらも、反ECB感情の高まりの影響について警告した。同氏は現在、ドイツ政府の経済諮問委員会(5賢人委員会)のメンバーを務めている。