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訂正:中国人民銀元アドバイザー、過剰な金融緩和回避訴える=経済誌
11月12日、中国人民銀行(中央銀行)のアドバイザー、盛松成氏は、同国の政策当局は積極的な財政政策と利下げで鈍化する景気を支えるべきとの見解を示した。写真は中国人民銀行。北京で2014年4月撮影(2019年 ロイター/Petar Kujundzic)
[上海 12日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の元アドバイザー(訂正)、盛松成氏は、同国の政策当局は積極的な財政政策と利下げで鈍化する景気を支えるべきとの見解を示した。ただ、過剰な金融緩和は避けるべきとも論じた。経済誌「第一財経」が報じた。
元人民銀調査統計局長の同氏は、中国は海外で見られるようなデフレ圧力に直面していないため、財政政策での対応を優先的に検討する必要があり、金融政策は補完的な役割が想定されると指摘。
物価動向については、最近の豚肉価格の高騰が「金融政策の明確な阻害要因となったが、コアインフレ率とPPI(生産者物価指数)は引き続き下方トレンドにある」と説明。「このため、金融政策はじゃぶじゃぶの状態になるべきではない。構造的調整の必要性はまだある」と語った。
その上で、政策当局は優先的に財政措置を講じるべきで、インフラ事業を支えるための地方債の前倒し発行や税金と手数料の引き下げ継続が含まれると説明した。
また、人民銀は市中銀行の預金準備率(RRR)を引き下げるよりも、中期貸出ファシリティー(MLF)金利を引き下げるほうが実質的な資金調達コストの押し下げに効果的だと指摘した。
人民銀は前週、1年物MLFの金利を5ベーシスポイント(bp)引き下げた。2016年初め以来の引き下げとなった。MLF金利に連動するローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)は今月20日に見直しが予定されている。
人民銀はまた、2018年序盤以降、預金準備率を計7回引き下げている。ただ、それでも銀行融資は低調なままだ。
アナリストの間では今年は四半期ごとに預金準備率が引き下げられるとの予想が大勢となっているが、消費者物価への上昇圧力を踏まえ、今四半期の引き下げについては懐疑的な見方が一部にある。
盛氏は預金準備率の追加引き下げの可能性は排除できないが、銀行は流動性不足に陥ってはいないと指摘。実質的な資金調達コストを下げ、企業の借り入れ意欲を高めることを政策面での優先課題にすべきだと論じた。
また、中国の不動産規制は適切な状態にあるため、さらに強化すべきではないと語った。「過去6カ月間で不動産投資の伸びは引き続き鈍化した。供給が引き続き抑制された場合、予定通りの住宅価格管理ができなくなるかもしれない」と述べた。
*英文の訂正により、12日配信の記事の見出しと本文1段落目の「アドバイザー」を「元アドバイザー」に訂正します。