ニュース速報

ビジネス

ウィーワーク、ソフトバンクGが最大95億ドル支援 会長は退任

2019年10月23日(水)13時30分

 10月22日、共用オフィス「ウィーワーク」運営の米ウィーカンパニーが、ソフトバンクグループからの支援策を受け入れることが決まった。写真は2017年に7月に都内で撮影(2019年 ロイター/Issei Kato)

[22日 ロイター] - 共用オフィス「ウィーワーク」運営の米ウィーカンパニーが、ソフトバンクグループ<9984.T>からの支援策を受け入れることが決まった。ソフトバンクGは新たに50億ドルを支援するほか、30億ドルを上限としてウィーワーク株の公開買い付けを行う。

両社が22日発表した。ソフトバンクは来年4月に期限を迎えるワラント(新株引受権)の形で15億ドル出資する従来の計画も加速させる。新たな価格は1株11.60ドル。支援は最大95億ドルで、ウィー創業者のアダム・ニューマン会長への支払いも含めると総額100億ドル超を投じることになる。ニューマン氏は取締役から退く。

ウィーワークへのソフトバンクGの出資比率は80%に高まるが、議決権は過半数に満たず、連結対象にはならない。ニューマン会長の後任にはソフトバンクのマルセロ・クラウレ最高執行責任者(COO)が就く。

ソフトバンクはこれまでにウィーに130億ドル以上出資する意向を示しているが、ウィーの企業価値は現在80億ドル。

ウィーでは今後、大規模なリストラが見込まれる。関係筋によると、ニューマン氏は取締役を退く代わりに、融資や顧問料として総額6億8500万ドルを受け取ることでソフトバンクと合意した。

ウィーの評価額落ち込みを受け、ニューマン氏はウィー株を担保とした個人の借り入れで追加証拠金の差し入れを求められている。関係筋の1人によると、ソフトバンクはニューマン氏がJPモルガンから供与されている信用枠向けに5億ドルを融資するとともに、ウィーのコンサルタントを4年間務める契約料として1億8500万ドルを支払うことに同意した。

別の関係筋によると、ニューマン氏はJPモルガンの信用枠のうち3億9500万ドルを利用している。ソフトバンクとの合意では、同氏はウィー株売却益を融資返済に優先的に充てることが義務付けられる。

関係筋の1人によると、ニューマン氏は取締役を退くものの、依然として取締役会に2人を送り込むことができるという。

ソフトバンクによると、同社は債務の形でウィーに50億ドルをウィーに支援する。内訳は優先債が11億ドル、無担保債が22億ドル、信用状ファシリティーが17億5000万ドル。

JPモルガン・チェースも21日に50億ドルの支援策を提示していたが、ウィーはソフトバンクの提案を受け入れたという。

ソフトバンクは、既存株主や従業員から最大30億ドルのウィーワーク株を買い付けることも明らかにした。価格は1株19.19ドル。

関係筋の1人によると、ニューマン会長が売却できる株式は9億7000万ドル相当が上限となる。同氏は現在、ウィー株の5分の1強を保有しており、売却後も一定の株式を保持する見通しという。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中