ニュース速報

ビジネス

米株は小幅反落、低調な米指標が重し 決算堅調

2019年10月17日(木)07時58分

16日の米国株式市場は小幅に反落して取引を終えた。ニューヨーク証券取引所で3日撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米国株式市場は小幅に反落して取引を終えた。米企業の第3・四半期決算は全体的に堅調だったが、低調な米経済指標と地政学的な緊張感が重しとなった。

マイクロソフトが0.8%安となるなど、テクノロジー株が下落。主要3指数全てがマイナス圏で取引を終了した。

朝方発表された9月の小売売上高は前月比0.3%減と、2月以来7カ月ぶりに落ち込んだ。製造業の弱含みがより広範な経済に波及している懸念が高まった。

インバーネス・カウンセルの首席投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏は、小売売上高について「経済の消費者側でストレスの兆候が示されたはおそらく初めてだろう」とし、「個人消費は米経済の救い手とされてきただけに、やや衝撃的だった」と述べた。

米中貿易摩擦を巡っては、前日に米議会下院が香港の抗議デモを支援する法案や決議案を可決したことで不透明感が高まった。

また、トランプ米大統領は16日、先週発表した中国との「第1段階」の通商合意の書面化に向けた作業が行われているとし、チリで来月開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で中国の習近平国家主席と会談するまでに署名する公算は小さいと述べた。

グリスキー氏は「市場がネガティブな出来事に反応しないのは驚きだ。その一部は月末に米連邦準備理事会(FRB)が利下げする観測や企業決算が予想外に好調であるためだ」と述べた。

リフィニティブのアナリスト予想によると、S&P総合500種指数採用企業の2019年第3・四半期利益は、前年同期比3%減少する見通し。減益なら2016年以降で初。ただ、これまでに第3・四半期決算を発表した43社のうち、利益がアナリスト予想を上回った企業の割合は86%に上る。

金融大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は1.5%上昇。第3・四半期決算は利益が市場予想を上回った。助言手数料や融資が増加し、金利低下による悪影響を相殺した。

ユナイテッド航空は2.1%高。四半期決算は利益が市場予想を上回り、今年の業績見通しを引き上げた。

S&Pの主要11セクター中、6セクターが下落。エネルギー<.SPNY>とテクノロジー<.SPLRCT>の下落率が大きかった。

自動車大手ゼネラル・モーターズは1.1%高。全米自動車労組(UAW)と新たな労使協定で暫定合意に達し、1カ月にわたって続いたストが終結に近づいた。

動画配信サービス大手ネットフリックスは引け後の時間外取引で10%超急伸。夕方に発表した四半期決算を受けた。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.08対1の比率で上回った。ナスダックでも1.07対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は60億6000万株。直近20営業日の平均は67億9000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 27001.98 -22.82 -0.08 26972.3 27058.3 26943.2 <.DJI>

1 4 9

前営業日終値 27024.80

ナスダック総合 8124.18 -24.52 -0.30 8119.81 8146.15 8103.38 <.IXIC>

前営業日終値 8148.71

S&P総合500種 2989.69 -5.99 -0.20 2989.68 2997.54 2985.20 <.SPX>

前営業日終値 2995.68

ダウ輸送株20種 10432.81 +46.52 +0.45 <.DJT>

ダウ公共株15種 859.40 +2.30 +0.27 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1601.79 -23.90 -1.47 <.SOX>

VIX指数 13.67 +0.13 +0.96 <.VIX>

S&P一般消費財 958.85 +3.89 +0.41 <.SPLRCD>

S&P素材 360.28 +1.09 +0.30 <.SPLRCM>

S&P工業 651.04 -0.28 -0.04 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 619.84 +0.53 +0.09 <.SPLRCS>

S&P金融 464.84 -1.14 -0.25 <.SPSY>

S&P不動産 242.99 -0.29 -0.12 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 422.81 -6.41 -1.49 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 1057.20 -1.25 -0.12 <.SPXHC>

S&P通信サービス 170.89 +0.25 +0.14 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1436.23 -10.23 -0.71 <.SPLRCT>

S&P公益事業 322.03 +0.76 +0.24 <.SPLRCU>

NYSE出来高 7.89億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 22540 + 50 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物12月限 円建て 22520 + 30 大阪比 <0#NIY:>

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

長期金利が2%に上昇、19年半ぶり高水準 国債先物

ビジネス

日銀が利上げ決定、政策金利は30年ぶり高水準に 賃

ビジネス

フェデックス、MD-11運航停止で最大1.75億ド

ビジネス

利上げで経済界に一定の影響考えられる、注視したい=
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中