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トヨタ、日欧攻める新型「ヤリス」世界初公開 「ヴィッツ」改め

2019年10月16日(水)18時12分

 10月16日、トヨタ自動車は小型車「ヤリス」の新型を世界で初めて報道陣らに公開した。写真は2018年11月6日、ブラジル・サンパウロの自動車ショーで撮影(2019年 ロイター/Paulo Whitaker)

[東京 16日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>は16日、小型車「ヤリス」の新型を世界で初めて報道陣らに公開した。日本ではこれまで「ヴィッツ」の車名で販売していたが、8年ぶりとなる全面改良を機に海外名のヤリスに統一し、日本と欧州という成熟した小型車市場での戦略車として投入する。日本では来年2月中旬から、欧州では同年下期から発売する。価格は未公表。

新型ヤリスは24日から開幕する東京モーターショーで展示される予定で、日本で激しい競争を繰り広げてきたホンダ<7267.T>の「フィット」も新型車が披露されることになっている。欧州では独フォルクスワーゲンなどの小型車との戦いに挑む。

新型ヤリスは4代目。商品力向上と良心的な価格の両立を目指す新設計思想「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー」による第4弾で先進国向け小型車のベースになるプラットフォームを初めて採用。直列3気筒1.5リットルエンジンを新開発したほか、ハイブリッドシステム、トランスミッション、サスペンションなども一新した。

<燃費改善、「世界トップレベル」に>

ねじり剛性を30%以上強化し、重心高も15ミリメートル下げ、操縦安定性と乗り心地を両立。骨格や材料の見直しなどにより、従来型に比べて車両重量も50キログラム軽量化した。燃費性能(国際的な新基準のWLTCモード)は20%以上改善、吉田守孝副社長は「間違いなく世界トップレベル」と話した。

車名をヤリスに統一した理由は、1)TNGAの採用、2)世界ラリー選手権(WRC)におけるヤリスの活躍、3)来年5月から始まる全チャネルでの併売――などを挙げ、「今は大きな変化点。グローバルで1つのヤリスにするほうが新たなスタートとして良いのでは」との判断に至った、と述べた。また、従来の小型車は「セカンドカー」という位置づけも大きかったが、「ファーストカーとしても乗っていただけるような車にしたい」と語った。

新型ヤリスでは、最新の予防安全技術を標準装備し、トヨタで初めて右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者も検知対象にした。駐車支援システムでは、トヨタで初めてハンドルだけでなく、アクセルやブレーキも制御。事前に駐車位置を登録しておけば、世界で初めて白線のない駐車場でも駐車支援システムを使える。

さらに、運転席や助手席のシートがドア側に回転し、上下にも傾けられるようにし、スカートや和服着用時の乗り降り、腰痛や筋力低下を感じる人の乗り降りも楽にできるようにした。

小型車は新興国での需要も高まっているが、先進国の顧客ニーズとは大きく異なる。新興国向けは傘下のダイハツ工業とともに取り組み、トヨタは日本や欧州などの先進国向けを担う。

(白木真紀)

ロイター
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