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英国で広がる企業の経営悪化、破綻件数が9年ぶりの高い伸び
11月30日、イングランドおよびウェールズにおける企業の経営破綻は第3・四半期に前年同期比19.3%増となり、9年ぶりの高い伸びを記録。写真はマンチェスターで6月、閉店した店舗の借り手を求めるサイン(2018年 ロイター/Phil Noble)
[ロンドン 30日 ロイター] - 英政府機関の債務超過局(インソルベンシー・サービス)は30日、イングランドおよびウェールズにおける企業の経営破綻が第3・四半期に前年同期比19.3%増の4308件だったと発表した。
金融危機の最中だった2009年第2・四半期以降で最も高い伸び率を記録。破綻件数は季節調整済みで2014年序盤以来の高水準となった。
この統計からは、企業の経営悪化がより広く、根深い問題となっている状況がうかがえる。英国では百貨店のハウス・オブ・フレイザー、ファストフードチェーンのグルメ・バーガー・キッチン、家庭用品のホームベースなどがここ数カ月に債権者からの保護を申請している。
今年の経営破綻は、債権者への支払いができないため株主が企業の清算を選択する「任意清算」が全体の件数を押し上げた。
企業団体R3のバイスプレジデント、ダンカン・スウィフト氏は「事業の見通しは依然として厳しい。消費者景況感の悪化や高い個人の債務水準、賃金の上振れ圧力、金利上昇の可能性などの問題のすべてに対処する必要がある」と述べた。
公式な統計では消費支出は堅調に伸びているが、アナリストらの話では、特に小売業者はネット通販への移行に加え、衣料品・家庭用品よりも娯楽に支出する傾向に見舞われている。